ファミリーライン
ファミリーライン(Family line)、あるいはメアーライン(Mare line)、母系(ぼけい)または牝系(ひんけい)とは、馬における母方の系図(家系)のことをいう。起点となる牝馬の名を取り「~系」と呼ぶ。同様に父系のみに焦点をあてたサイアーライン(メールライン)がある。
競走馬の血統においては、その近親関係は母系を基準に考えられる。生産の現場では牝馬の質の良否がそのまま死活問題となるという事情から、ファミリーが特に重要視され、多くの活躍馬を送り出すファミリーについては一種のブランド化することもある。また逆の例もあり、1989年のエクリプス賞年度代表馬を受賞したサンデーサイレンスは、父に大種牡馬ヘイローを持ちながら他の近親に活躍馬が皆無であったため、種牡馬として人気が出ず、日本へと売却された。
現存するファミリーラインの多くは、その血統を遡るとロイヤル・メアと呼ばれるイギリス王室所有の繁殖牝馬群に行き着くが、これらについてはその素性・由来がはっきりしておらず、今なお議論の対象となっている。また、もともとサラブレッドとされていたが、その後に血統表の紛失などで血統を遡れないものもおり、日本ではミラとその子孫がよく知られている。これらには「サラブレッド系種」という特殊な位置を与えられた。詳細は同項を参照のこと。
おもなファミリーライン
世界のおもな名牝系
- ポカホンタス系(1837~、F-No.3-m)
- クイーンベルタ系(1860~、F-No.1-w)
- スウィートラヴェンダー系(1923~)
- ローズレッド系(1924~)
- ローザネイ系(1988~)
- ソシアルバターフライ系(1957~)
- ローズレッド系(1924~)
- スウィートラヴェンダー系(1923~)
- ショットオーヴァー系(1879~、F-No.13-c)
- ベルローズ系(1889~、F-No.8-c)
- ロジーオグラディ系(1915~)
- ロウズバド系(1917~)
- クリムズンセイント系(1969~)
- アワーラッシー系(1900~、F-No.22-d)
- エクレア系(1930~)
- ダウンレイ系(1935~)
- グレートレディーエム系(1975~)
- インフラレッド系(1936~)
- プリティーポリー系(1901~、F-No.14-c)
- オーディエンス系(1901~、F-No.4-m)
- レディジョセフィン系(1912~、F-No.9-c)
- プラッキーリエージュ系(1912~、F-No.16-a)
- アフェクション系(1914~、F-No.9-f)
- ブアタイ系(1942~)
- デルタ系(1952~)
- バイユー系(1954~)
- ブアタイ系(1942~)
- シリーン系(1919~、F-No.6-e)
- ヴァーディクト系(1920~、B-3)
- ルーカスランド系(1962~)
- ラトロワンヌ系(1926~、F-No.1-x (1-s))
- シュヴァルツゴルト系※ドイツSライン(1937~、F-No.16-c)
- ブルーディライト系(1938~、F-No.9-c)
- リアルディライト(1949~)
- ブードワール系(1938~、F-No.4-d)
- スカーレットインク系(1971~)
- ラフショッド系(1944~、F-No.5-h)
- カイザーヴュルデ系※ドイツKライン(1945~、F-No.5-h)
- アルマームード系(1947~、F-No.2-d)
- ソアリング系(1950~、F-No.12-c)
- バラード系(1972~)
- サムシングロイヤル系(1952~、F-No.2-s)
- ベストインショウ系(1965~、F-No.8-f)
- ハイクレア系(1971~、F-No.2-f)
- アレグレッタ系(1978~、F-No.9-h)
- ミエスク系(1984~、F-No.20)
日本の牝系
- 高砂系
- 小岩井農場の基礎輸入牝馬
- 下総御料牧場の基礎輸入牝馬
- 英月系
- オーバーヤン五ノ七系
- スタイルパッチ系
- クインナルビー系
- シェリル系
- アマゾンウォリアー系
- スワンズウッドグローヴ系
- ソシアルバターフライ系
- イコマエイカン系
- ファンシミン系
- ロイヤルサッシュ系
- ダイナカール系
- スカーレット一族(スカーレットインク系)
- 華麗なる一族(マイリー系)
- 薔薇一族(ローザネイ系)
- シラユキヒメ系(ソダシなどの白毛馬の祖であり、サンデーサイレンスを父にもつ)