北大西洋条約機構
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本部 |
ベルギー・ブリュッセル 北緯50度52分34.16秒 東経4度25分19.24秒 / 北緯50.8761556度 東経4.4220111度 |
公用語 |
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形態 | 軍事同盟 |
加盟国 |
リスト
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指導者 | |
• 事務総長 |
イェンス・ストルテンベルグ |
• 軍事委員会議長 |
ロブ・バウアー |
設立 | 1949年4月4日(NATO条約締結) |
ウェブサイト
https://www.nato.int/ | |
北大西洋条約機構(きたたいせいようじょうきこう、英語: North Atlantic Treaty Organization 略称: NATO(英語での発音は [ˈneɪtoʊ]、ネイトウの音に近い)、フランス語: Organisation du traité de l'Atlantique nord 略称: OTAN)は北大西洋同盟とも呼ばれ、北米2ヶ国と欧州28ヶ国の計30ヶ国が加盟する政府間軍事同盟である。第二次世界大戦後に設立され、1949年4月4日にアメリカのワシントンD.C.で調印された北大西洋条約を実装する組織である 。NATOは集団安全保障のシステムであり、独立した加盟国は第三国(者)による攻撃から互いに防衛することに合意している。冷戦時代、NATOはソ連の脅威に対する牽制の役割を果たし、ソ連崩壊後もバルカン半島、中東、南アジア、アフリカで軍事作戦を展開してきた。
NATOの本部はベルギーのブリュッセルにあり、NATOの欧州連合軍最高司令部はベルギーのモンス近郊にある。NATOは東ヨーロッパにNATO即応部隊を配備しており、NATO加盟国の軍隊を合わせると、約350万人の兵士と職員を保有する[7]。2020年時点の軍事費合計は、世界の名目総額の57%以上を占めている[8]。加盟国は、2024年までにGDPの少なくとも2%という目標防衛支出を達成または維持することに合意している[9] [10]。
NATOは12ヶ国の設立メンバーで結成され、これまでに8回新メンバーを加え、直近では2020年3月に北マケドニアが加盟した。NATOは現在、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、ウクライナを加盟希望国として認めており、フィンランドとスウェーデンとは加盟申請について決定してある。拡大により、非加盟国のロシアとの間で緊張が高まっているが、ロシアはNATOの「平和のためのパートナーシップ」プログラムに参加しているNATO加盟国以外の20ヶ国のうちの1ヶ国である。その他の19ヶ国はNATOとの制度化された対話プログラムに参加している。
歴史
設立の経緯について
第二次世界大戦が終わり、東欧を影響圏に置いた共産主義国家であるソ連との対立が激しさを増す中で、西ヨーロッパでは、共同防衛条約として1948年にブリュッセル条約が結ばれた[11]。これには、ドイツの再侵略に対する警戒が条約文に明記されていたが、実態としてはソ連に対抗する意図があった[11]。アメリカの外交姿勢には伝統的な孤立主義があったが、アメリカ上院において1948年6月11日にバンデンバーグ決議がなされ、集団防衛体制への参加が認められた[11]。イギリス外相のアーネスト・ベヴィンらは、アメリカも含めた共同防衛条約の成立に動き、1949年4月4日に北大西洋条約が調印された[11]。
結成当初は、ソ連を中心とする共産圏に対抗するための西側陣営の多国間軍事同盟であり、「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」[注釈 1](反共主義と封じ込め)という、初代事務総長であるヘイスティングス・イスメイの言葉が象徴するように、欧州諸国を長年にわたって悩ませたドイツ問題に対するひとつの回答でもあった[注釈 2]。
当初はアメリカなどの一部でドイツの徹底した脱工業化・非ナチ化が構想されていた(モーゲンソー・プランも参照)。また連合軍占領下ではドイツは武装解除され、小規模な国境警備隊や機雷掃海艇部隊以外の国軍を持つことは許されず、アメリカ、フランス、イギリス、ソ連の4ヶ国が治安に責任を担っていた。しかし、冷戦の開始とともに西ドイツ経済の復興が求められ、主権回復後の1950年には西ドイツの再軍備検討も解禁された。西ドイツは新たな「ドイツ連邦軍」の設立とNATOへの加盟準備を始めたが、フランスなどはドイツ再軍備とNATO加盟に反対し、欧州防衛共同体構想で対抗した。この構想は1952年に西ドイツを含む西欧各国間で調印されたが、ド・ゴール主義者たちの反対によりフランス議会で否決され、批准に至らなかった。この結果、フランスもドイツ再軍備を認め、ドイツ連邦軍(ドイツ軍)が1955年11月12日に誕生し、西ドイツはNATOに加盟した。一方、この事態を受けてソ連を中心とする東側8ヶ国はワルシャワ条約を締結してワルシャワ条約機構を発足させ[注釈 3]、ヨーロッパは少数の中立国を除き、2つの軍事同盟によって東西に分割されることとなった。
1949年から1954年まで、パウル・ファン・ゼーラントがアメリカ政府とNATO双方の経済顧問を務めた。

第二次世界大戦から冷戦を通じて、西欧諸国はNATOの枠組みによってアメリカの強い影響下に置かれることとなったが、それは西欧諸国の望んだことでもあった。二度の世界大戦による甚大な被害と、1960年代にかけての主要植民地の独立による帝国主義の崩壊により、それぞれの西欧諸国は大きく弱体化した。そのため各国は、アメリカの核抑止力と強大な通常兵力による実質的な庇護の下、安定した経済成長を遂げる道を持とうとした。なお、1960年代にはそれまでフランスやイギリスの植民地として加盟していたアルジェリア、キプロス、マルタが独立後に脱退した。
東側との直接戦争に向け、アメリカによって核兵器搭載可能の中距離弾道ミサイルが西欧諸国に配備され、アメリカ製兵器が各国に供給された(ニュークリア・シェアリング)。途中、フランスは米英と外交歩調がずれ、独自戦略路線に踏み切って1966年に軍事機構から離脱[12]、そのため、1967年にNATO本部がフランス首都のパリからブリュッセルに移転した[13]。一方、戦闘機などの航空兵器分野では、開発費増大も伴って、欧州各国が共同で開発することが増えたが、これもNATO同盟の枠組みが貢献している。航空製造企業エアバス誕生も、NATOの枠組みによって西欧の一員となったフランスと西ドイツの蜜月関係が生んだものといえる。また、1975年にキプロス紛争が事実上終結、ここにギリシャとトルコが介入しており、結果はトルコ側の勝利で、ギリシャが支援していたキプロスからトルコの支援を受けた北キプロスが建国される。ギリシャはキプロス紛争に対してNATOが何ら役に立たなかったとして、NATOを1974年に脱退した。6年後の1980年に再加盟した。
西欧はアメリカの庇護を利用することによって、ソ連を初めとする東欧の軍事的脅威から国を守ることに成功した。「冷戦」の名の通り、欧州を舞台とした三度目の大戦は阻止された。つまり、NATOは冷戦期間中を通じ、実戦を経験することはなかった。
冷戦終結後と東方拡大
1989年のマルタ会談で冷戦が終焉し、続く東欧革命と1991年のワルシャワ条約機構解体、ソ連崩壊によりNATOは大きな転機を迎え、新たな存在意義を模索する必要性に迫られた。1991年に「新戦略概念」を策定し、脅威対象として周辺地域における紛争を挙げ、域外地域における紛争予防および危機管理(非5条任務)に重点を移した。また域外紛争に対応するOSCE(全欧州安保協力機構)、東欧諸国と軍事・安全保障について協議する北大西洋協力評議会(NACC)を発足させた。
1992年に勃発したボスニア・ヘルツェゴビナにおける内戦では、初めてこの項目が適用され、1995年より軍事介入と国連による停戦監視に参加した。続いて1999年のコソボ紛争ではセルビアに対し、NATO初の軍事行動となった空爆を行い、アメリカ主導で行われた印象を国際社会に与えた。
一方で、ソ連の崩壊によりソ連の影響圏に置かれていた東欧諸国が相次いでEUおよびNATOへの加盟を申請し、西欧世界の外交的勝利を誇示したが、拡大をめぐる問題も発生した。旧東側諸国の多くがソ連の支配を逃れてNATO加盟を希望する一方、ソ連崩壊より誕生したロシアは国力を回復するとともに、NATO東方拡大に警戒・反発を表明しているためである。1991年にソ連も参加して発効されたドイツ最終規定条約では西ドイツを継承する統一ドイツにNATO加盟国としての地位を認める一方で旧東ドイツ領域での外国軍部隊駐留を禁止することが規定された。1994年、「平和のためのパートナーシップ」(PfP) によって、東欧諸国との軍事協力関係が進展。1997年5月にNATOとロシアはNATO・ロシア基本文書に署名し、NATOは新加盟国に対して外国軍部隊について大規模な部隊を恒久的配備しないとした(そのため、新加盟国ではNATO加盟国の外国軍部隊は短期間でローテーションで駐留する方法を取っている)。1999年に3ヶ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー)、2004年に7ヶ国(スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、旧ソ連バルト三国および旧ユーゴスラビア連邦のうちスロベニア)、2009年に2ヶ国(アルバニアと旧ユーゴスラビア連邦のクロアチア)が加盟。旧ユーゴスラビア連邦からは2017年にモンテネグロが、2020年には北マケドニア[1]が続いた。
こうして旧ワルシャワ条約機構加盟国としては、バルト三国を除く旧ソ連各国(ロシア、ウクライナ、モルドバ、ジョージア、ベラルーシなど)を残し、ほかはすべてNATOに引き込まれた。
ロシアがウクライナ紛争などで見られるように、東欧・北欧諸国に対して威嚇や挑発を強めているため(「新冷戦」参照)、他の国々にもNATO加盟を模索する動きがある。政府がNATO加盟を希望する国としてはウクライナ[14]、ジョージア[15]がある。 フィンランドやスウェーデンはNATO加盟を求める世論が台頭していた[16][17][18][19][20]ことを背景に、ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、2022年5月18日にNATO加盟を申請し[21]、同年7月5日にブリュッセルで加盟議定書に署名した[22]。なお、両国は加盟申請前からNATOの軍事演習に参加していた[23]。
対テロ戦争
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件への対応については、10月2日に北大西洋条約第5条を発動し、共同組織としては行動しなかったものの、アフガニスタン攻撃(アフガン侵攻、イスラム原理主義武装勢力のタリバンをアフガン政府から追放した作戦)やアメリカ本土防空、領空通過許可等の支援を実施している[24]。その後の対テロ戦争には賛同しつつも、各国が自主的に参戦するに留め、新生アフガン軍の訓練にNATOの教官が参加することで協力した。
しかし、2003年のイラク戦争にはフランスとドイツが強く反対したために足並みは乱れ、アメリカに追従するポーランドなど東欧の新加盟国と、仏独など旧加盟国に内部分裂した。
2005年にはアフガニスタンでの軍事行動に関する権限の一部が、イラク戦争で疲弊したアメリカ軍からNATOに移譲され、NATO軍は初の地上軍による作戦を行うに至った。2006年7月にはアフガンでの権限をすべて委譲され、NATO加盟国以外を含む多国籍軍である国際治安支援部隊 (ISAF) を率いることとなった。
米露新冷戦
2002年1月。1992年にワルシャワ条約機構に加盟していた国との間で調印された「領空開放条約」が発効した[25][26]。
ロシア-グルジア戦争
2000年代後半に入り、アメリカが推進する東欧ミサイル防衛問題や、ロシアの隣国であるウクライナ、ジョージア(グルジア)がNATO加盟を目指していることに対し、経済が復興してプーチン政権下で大国の復権を謳っていたロシアは強い反発を示すようになった。2008年8月にはグルジア紛争が勃発、NATO諸国とロシアの関係は険悪化し、「新冷戦」と呼ばれるようになった。ロシアは2002年に設置されたNATO-ロシア理事会により準加盟国的存在であったが、2008年8月の時点ではNATOとの関係断絶も示唆していたが、2009年3月には関係を修復した。
ロシア-ウクライナ戦争
しかしロシアはウクライナ、ジョージアのNATO加盟は断固阻止する構えを見せており、ロシア首相のウラジーミル・プーチンは2008年のNATO-ロシアサミットで、もしウクライナがNATOに加盟する場合ロシアはウクライナ東部(ロシア人住民が多い)とクリミア半島を併合するためにウクライナと戦争をする用意がある、と公然と述べた[27]。そしてプーチンの言葉通り、ウクライナにおいて親米欧派政権が誕生したのを機に、クリミア半島およびウクライナ東部にロシアが軍事介入し、ウクライナ東部では紛争となった(ウクライナ紛争 (2014年-))。
2017年にアメリカで大統領選挙中からNATO不要論を掲げたドナルド・トランプが大統領に就任すると、アメリカとそれ以外の軍事費負担の格差に不満を隠さなくなり、2017年7月にはトランプがNATO総長との朝食会の場で、ドイツなどに対して軍事費負担の少なさについて不満を展開。「こんな不適なことに我慢していくつもりはない」と主張するなど[28]、アメリカの関与を縮小する意向を示していた。2019年1月にはトランプがNATO離脱意向を漏らしたと報道された[29]。
2020年、アメリカが領空開放条約から離脱したことを受け、ロシア側も翌年に離脱した[26]。
2021年12月、ロシアは新たにNATOへの加盟を求めるウクライナに対して、ウクライナ周辺の4か所にロシア軍の部隊を集結させ最大17万5000人規模にまで増強し[30]、2022年2月24日にウクライナへの全面侵攻を開始した[31]。
介入した紛争
NATOが介入したのはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争、マケドニア紛争、アフガニスタン紛争、2011年リビア内戦である。
2011年リビア内戦においては、2011年3月17日にリビア上空の飛行禁止区域を設定した国連安保理決議1973が採択されたことを受け、3月19日よりNATO軍が空爆を開始し[32]、反体制派のリビア国民評議会を支援。リビアが崩壊する最大の要因となった。
加盟国
NATOには北米と欧州を中心に30ヶ国が加盟している。これらの国々の中には、複数大陸に領土を持つ国もあり、南方は北大西洋条約第6条に基づくNATOの「責任領域」を定める大西洋の北回帰線までしかカバーすることができない。当初の条約交渉で、アメリカはベルギー領コンゴなどの植民地を条約から除外するよう主張した[33] [34]。しかし、フランス領アルジェリアは、1962年7月3日の独立まで対象となった[35]。この30ヶ国のうち12ヶ国は1949年に加盟した原加盟国であり、残りの18ヶ国は8回の拡大ラウンドのうちのいずれか1回で加盟している。
国防費がGDPの2%を超える加盟国はほとんどなく[36]、アメリカがNATOの国防費の3⁄4を占めている[37]。
特別な取り決め
NATOの設立メンバーとして加盟したデンマーク、アイスランド、ノルウェーの北欧3ヶ国は、自国領土に平時の恒久的な基地、核弾頭、連合国の軍事活動を(招待しない限り)認めないという3つの分野で参加を制限することを選択した。しかし、デンマークはグリーンランドにある既存の基地、チューレ空軍基地の維持をアメリカ空軍に許可した[38]。
1960年代半ばから1990年代半ばにかけて、フランスは「ド・ゴール=ミッテラン主義」と呼ばれる政策のもと、NATOから独立した軍事戦略を追求した[39]。2009年にニコラ・サルコジが統合軍司令部と防衛計画委員会への復帰を交渉し、翌年には防衛計画委員会が解散した。フランスは依然として核計画グループから外れた唯一のNATO加盟国であり、アメリカやイギリスとは異なり、核武装した潜水艦を同盟に参加させることはない[40] [41]。
拡大
NATOへの加盟は、個々の加盟行動計画によって管理され、現加盟国の承認を必要とする。現在、NATOには唯一の加盟候補国としてボスニア・ヘルツェゴビナがあり、加盟の手続きをしている。北マケドニアは、NATO加盟国になるための加盟議定書に2019年2月に署名し、2020年3月27日に加盟国となった最も新しい国家である[42] [43]。その加盟は、マケドニア名称論争により、長年ギリシャに阻まれていたが、2018年にプレスパ協定により解決された[44]。その過程で互いに支え合うために、この地域の新規加盟国と加盟候補国は15年に「アドリア海憲章」を制定した[45]。ジョージアも加盟希望国として名を連ね、2008年のブカレストでの首脳会議で「将来の加盟」を約束された[46]が、2014年にアメリカ大統領のバラク・オバマは、同国が加盟への「道筋を現在示していない」と述べている[47]。
ウクライナと欧州やNATOとの関係は政治的に議論を呼んでおり、2014年に親露派大統領のヴィクトル・ヤヌコーヴィチを追放した「ユーロマイダン」抗議デモでは、こうした関係の改善が目標の1つとされた。ウクライナは、東欧で「個別パートナーシップ行動計画(IPAP)」を持つ8ヶ国のうちの1つである。IPAPは2002年に始まり、NATOとの関係を深める政治的意思と能力を持つ国々に開かれている[48]。2019年2月21日、ウクライナ憲法が改正され、EUとNATOへの加盟に向けたウクライナの戦略的方向性に関する規範が、基本法の前文、3つの条項、暫定規定に明記された[49]。2021年6月のブリュッセル・サミットで、NATO首脳は、ウクライナが加盟行動計画(MAP)を不可欠のプロセスとして同盟の一員となり、ウクライナが自国の将来と外交政策を決定する権利を、もちろん外部の干渉を受けずに持つという2008年のブカレスト・サミットでの決定を改めて表明した[50]。2021年11月30日、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンは、ウクライナにおけるNATOのプレゼンスの拡大、特にロシアの都市を攻撃できる長距離ミサイルやルーマニアやポーランドと同様のミサイル防衛システムの配備は、ロシアにとって「レッドライン」の問題であると表明している[51] [52] [53]。プーチンは、アメリカ大統領のジョー・バイデンに対し、NATOが東方へ拡大したり、「我々を脅かす兵器システムをロシア領土の近くに設置したりしない」という法的保証を求めた[54]。NATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグは、「ウクライナがいつNATOに加盟できるかを決めるのは、ウクライナとNATO30カ国だけだ。ロシアには拒否権も発言権もなく、ロシアには隣国を支配しようとする勢力圏を確立する権利もない」と答えた[55] [56]。
ロシアは、ソ連指導者のミハイル・ゴルバチョフと米欧の交渉担当者の間で交わされた、ドイツの平和的統一を可能にする非公式な理解と矛盾すると考え、さらなる拡張に政治的に反対し続けた[57]。NATOの拡張努力は、モスクワの指導者からは、ロシアを包囲し孤立させようとする冷戦時代の試みの継続と見られることが多い[58]が、西側諸国からも批判されている[59]。2016年6月のレバダ世論調査によると、ロシアに隣接する旧東欧圏の国々であるバルト三国とポーランドにNATO軍を配備することは、ロシアにとって脅威であると考えているロシア人が68%もいることが判明した[60]。一方、2017年のピュー・リサーチ・センターのレポートで調査したポーランド人の65%がロシアを「大きな脅威」とし、NATO諸国全体で平均31%がそう答え、2018年に調査したポーランド人の67%が米軍のポーランド駐留に賛成している[61]。2016年にギャラップ社が調査した非CIS東欧諸国のうち、セルビアとモンテネグロ以外は、NATOを脅威ではなく保護同盟とみなす傾向が強かった[62]。雑誌『セキュリティー・スタディーズ』の2006年の研究では、NATOの拡大は中東欧の民主主義の定着に貢献したと論じている[63]。中国もまた、さらなる拡大に反対している[64]。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて
2022年、ロシアがウクライナに侵攻した後、フィンランドとスウェーデンの世論はNATO加盟に大きく傾き、初めてNATO加盟に反対した国民よりも、加盟を支持する国民の方が多くなった。2022年3月30日の世論調査では、フィンランド人の約61%がNATO加盟に賛成し、反対16%、不明23%であったことが明らかになった。4月1日の世論調査では、スウェーデン人の約51%がNATO加盟に賛成し、反対は27%であった[65] [66]。4月中旬、フィンランドとスウェーデンの両国政府は、NATO加盟の検討を開始し、両国政府はこのテーマに関する安全保障報告書作成を命令している[67] [68]。北欧2ヶ国が加わることで、北極圏、北欧、バルト海地域におけるNATOの能力が大幅に拡大する[69]。
2022年5月15日、フィンランド政府は5月17日に188:8の賛成票を投じた同国議会の承認[70]後、実際にNATO加盟を申請すると発表した[71]。スウェーデン首相のマグダレナ・アンデションも5月17日にNATO加盟を申請すると発表[72]し、フィンランドとスウェーデンは5月18日に正式にNATO加盟の申請を行った[73]。しかし、トルコは、フィンランドとスウェーデンが、トルコがテロ組織に指定しているクルディスタン労働者党(PKK)と人民防衛隊(YPG)を両国が支援しているとして、両国のNATO加盟に反対の声を上げてきたが、同年6月28日にマドリードで開催されたNATO首脳会議でトルコはフィンランドとスウェーデンがPKKとYPGへの支援を取り止めることなどを条件に、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請を支持することで合意した[74] [75]。
2022年7月6日、フィンランド、スウェーデンのNATO加盟に関する議定書が調印された。これにより、北欧2ヶ国のNATO加盟が事実上内定した。
第三国とのパートナーシップ
日本
自衛隊では在日米軍が使用する武器・弾薬の相互運用性を確保するために、小銃のNATO弾[注釈 4]を使用しているほか、兵器にさまざまなNATOとの共通規格を採用している。近年では、2005年にNATO事務総長が来日、また2007年には内閣総理大臣の安倍晋三が欧州歴訪の一環としてNATO本部を訪問しており、人的交流の面でも新たな関係が構築され始めた。このとき、安倍が来賓として演説を行った北大西洋理事会やNATO加盟各国の代表との会談の中で、加盟各国が軒並み日本との緊密な協力関係を構築することに賛意を表したことが注目された[89]。これ以降、NACの下部組織である政治委員会と自衛隊との非公式な協議が開催されたり、ローマにあるNATO国防大学の上級コースへ自衛官が留学するようになったり、NATOの災害派遣演習へ自衛官がオブザーバーとして参加するようになったり、実務レベルでの提携も行われるようになったりした。2014年5月6日にも、安倍が欧州歴訪の際にNATO事務総長のラスムセンと会談[90]。海賊対策のためのNATOの訓練に自衛隊が参加することや、国際平和協力活動に参加した経験を持つ日本政府の女性職員をNATO本部に派遣することなどで合意[90]。さらに日本とNATOとの間で具体的な協力項目を掲げた「国別パートナーシップ協力計画 (IPCP)」に署名した[90]。
またNATOはアフガニスタンにおける活動の中で、現地の日本大使館が行っている人道支援や復興活動に注目しており、軍閥の武装解除を進める武装解除・動員解除・社会復帰プログラムの指導者的立場にある日本との連携を模索している。
さらには、日本をNATOに加盟させようとする動きもある。これはNATOを北大西洋地域に限定せずに世界規模の機構に発展させたうえで、日本のほかオーストラリア、シンガポール、インド、イスラエルを加盟させるべきだという意見である。ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長、ブルッキングス研究所のアイボ・ダールダーシニアフェローなどが提唱している。
2018年5月、北大西洋理事会は、ブリュッセルの在ベルギー日本大使館にNATO日本政府代表部を開設することに同意[91]。2018年7月1日、NATO日本政府代表部を開設した[92]。
2021年時点で、日本は「グローバル・パートナー国」と位置付けられている[93]。
2022年6月29日にスペインのマドリードで開催された北大西洋理事会には総理の岸田文雄が日本の総理として初めて、同じくグローバル・パートナー国のオーストラリア、ニュージーランド、韓国の首脳と共に参加し、以降も定期的な参加の意向を表明した。
具体的な協力
2008年10月時点、日本政府はアフガニスタンで国際治安支援部隊(ISAF)を展開するNATOに対し財政支援を行っており、NATO・ISAF側は広報センターを通じてこの事実をファクトシートの形で公表している[94]。日本の対NATO協力の変遷は次のとおり。
- 2007年3月、アフガニスタンでの人道支援プロジェクトのために約20億円の財政支援を実施
- 2007年12月、NATO文民代表部との連絡促進のため常勤の連絡調整員を指名[95]
- 2010年6月25日、「日・NATO情報保護協定」を締結(日本が情報保護協定を結ぶのは、「日米軍事情報包括保護協定」(2007年にアメリカとの間で締結)に次ぎ2例目である)[96]
NATOのアフガニスタンでの活動に対する日本の財政支援は、政府の「草の根無償・人間の安全保障資金協力 (GAGP) スキーム」[97]の範囲内で行われている。2008年10月2日時点で、日本政府はGAGPの方針に従い29のプロジェクト支援を実施しており、その総額はおよそ260万ドル[注釈 5]に及んでいる。NATOによれば、政府はさらに39のプロジェクトへの追加資金協力を検討しているという。
韓国
韓国はNATOパートナーであり、またNATO以外の主要な同盟国として複数分野で協力してきた。近年の協力ではアフガニスタン戦争後の復興、アデン湾における商船の海賊護衛がある[98]。
2022年、韓国はNATOの補助組織であるサイバー防衛協力センター(CCDCOE)に貢献国として参加した[99]。
組織構成
NATOには超国家的な中央機構は存在しておらず、その盟主は「各加盟国の政府それぞれ」であり「各国政府の権利は平等」とされている。そのため中央機関であり、加盟国の政府代表が参加する北大西洋理事会(NAC[注釈 6])においては、あらゆる議案が全会一致によって承認・決定されている。多数決の制度は採用されていない。
理事会ではNATOが抱えるあらゆる問題が協議され、各加盟国からの代表によって週1回行われる「常設理事会」と、慣例上年2回行われる外相・国防相など閣僚級の理事会、さらに臨時で行われる首脳会合などによって意思決定が行われる。この席上においてNATO事務総長は理事会の実施する各種会議の議長としての役職を担い、事務総局はその補佐を行う。
また一時期フランスがNATO軍事機構からの脱退、およびその理由として挙げられた「アメリカ主導による軍事計画の進行」という事由から、特に軍事関係の意思決定は理事会ではなく各国の国防相により構成される「防衛計画委員会」によって行われる。また核問題に関しては専門の「核計画グループ」も存在しており、核に関連する項目に関しては理事会と同等の権限が付与されている。
これら理事会・防衛計画委員会の下にはさらに、この2つの組織を支援するための常設委員会が設置されており、また必要にあわせて臨時の委員会も設置が可能となっている。
軍事機構に関しては、「軍事委員会」が理事会と防衛計画委員会の決定のもとでNATO軍の各級司令部を統制する。この軍事委員会は任期制の委員長と各加盟国軍の参謀総長クラスの将官によって構成され、下部組織として加盟国の大将・中将により構成される『常設軍事代表委員会』、各国軍の派遣幕僚による「国際参謀部」が付設されている。
- 北大西洋理事会(各種問題の協議)
- 防衛計画委員会(軍事問題の協議。2010年にNACに吸収)
-
核計画グループ(核問題に関する審議)
- NATO事務総長(理事会主催の会合での議長役)
- 国際事務総局
- 軍事委員会(軍事機構の統括)
- 常設軍事代表委員会
- 国際参謀部
- 常設委員会(理事会の支援)
- NATO事務総長(理事会主催の会合での議長役)
機構軍
当初は軍事計画の立案を実施する「常設グループ」(ワシントンD.C.に設置)と「地域計画グループ」(各地域に設置)のみが設置されており、本格的な軍事機構が設置されるのは旧西ドイツが加盟して以降であった。軍事機構の成立後、NATOの各級司令部は概してアメリカ方面と欧州方面とに分かれており、その組織機構の大半は欧州に集中している。これらの組織は地域レベルの司令部や特定種類の部隊・集団の統括組織としての役割を持つが、平時において下部組織に対しては査察権限のみを有し、指揮統制権は戦時にのみ発生するものとされている。ただし、航空関係の各部隊は即応性を求められることもあり、その大半がすでに各級司令部の指揮下に収められている。
発足当初
1960年代以降
-
欧州連合軍(ACE[注釈 7])
- 北欧連合部隊
- 中欧連合部隊
- 南欧連合部隊
- 地中海潜水艦部隊
-
大西洋連合軍(ACLANT[注釈 8])
- 大西洋打撃艦隊 - アメリカ海軍の第2艦隊
- 東大西洋管区
- 西大西洋管区
- 大西洋連合潜水艦部隊
- 海峡地区連合軍(ACCHAN[注釈 9])
- 地中海連合軍[注釈 10]
現在(2010年代)
- 作戦連合軍(旧欧州連合軍、司令官はアメリカ欧州軍司令官が兼任)
- 欧州連合軍最高司令部(ベルギー・モンス駐在、最上級作戦司令部)
-
ブルンスム統連合軍司令部(オランダ・ブルンスム駐在、 欧州北部を担当)
- ノースウッド連合海上部隊司令部(イギリス・ノースウッド司令部内駐在、管区内の海上部隊を統括・指揮)
- ラムシュタイン連合航空部隊司令部(ドイツ・ラムシュタイン空軍基地内駐在、管区内の航空部隊を統括・指揮)
- ハイデルベルク連合陸上部隊司令部(ドイツ・ハイデルベルク在、管区内の地上部隊を統括・指揮)
- ナポリ統連合軍司令部(イタリア・ナポリ駐在、欧州南部を担当)
-
リスボン統連合軍司令部(ポルトガル・リスボン駐在、海上配備打撃戦力を担当、ブルンスム、ナポリの両司令部より小規模)
- NATO即応部隊(NRF、ブルンスム、ナポリ、リスボンの三司令部がローテーションで指揮を担当)
- 即応部隊司令部(陸上部隊主体の即応部隊を統括)
- 欧州連合軍即応部隊(ARRC)司令部(旧イギリス第1軍団、ドイツ駐留イギリス軍主体)
- 欧州合同軍(EUROCORPS)司令部(フランス・ストラスブール駐在)
- イタリア即応部隊司令部(イタリア・ミラノ駐在、イタリア軍主体)
- トルコ即応部隊司令部(トルコ・イスタンブール駐在、トルコ軍主体)
- ドイツ=オランダ即応部隊司令部(ドイツ・ミュンスター駐在)
- スペイン即応部隊司令部(スペイン・バレンシア駐在)
- ギリシア即応部隊司令部(ギリシア駐在)
- その他部隊
- 即応部隊航空参謀部
- NATO早期警戒部隊(AWACSの共同運用)
- 海上即応部隊司令部
- 欧州連合軍機動部隊(空中機動部隊)
- 海上打撃・支援部隊
- 第1常設NATO海洋グループ(常設大西洋艦隊、同盟国による持ち回り)
- 第2常設NATO海洋グループ(常設地中海艦隊、同盟国による持ち回り)
- 常設海峡艦隊(同盟国による持ち回り)
-
変革連合軍(旧大西洋連合軍、司令官はアメリカ統合戦力軍司令官が兼任)
- 変革連合軍最高司令部
- 統合軍事センター
- NATO統合軍訓練センター
- NATO海上阻止行動訓練センター
- NATO深海調査センター
- その他の組織
米軍が駐留するヨーロッパの国々
歴史的背景から、米軍はNATO諸国に多くの部隊を配置している。以下各国ごとの米軍駐留状況を示す。
- ドイツ 約3万8,500人
- イタリア 約1万1,500人
- イギリス 約1万1,000人
- ポーランド 約1万500人
- ノルウェー 約3,000人
- ルーマニア 約2,300人
- スペイン 約2,000人
- トルコ 約2,000人
- ラトビア 約1,600人
- スロバキア 約1,500人
- ベルギー 約1,000人
歴代事務総長
関連作品
- ジョン・ハケット『第三次世界大戦』(上下巻、青木榮一訳、講談社文庫、1984年)
- トム・クランシー、ラリー・ボンド『レッド・ストーム作戦発動』(上下巻、文春文庫)
- 青池保子『エロイカより愛をこめて』
脚注
注釈
- ^ 英: Keep the Americans in, the Russians out, and the Germans down.
- ^ 第二次大戦後のドイツ問題は、 1.ドイツを復興させてソ連の影響力を排除する 2.再びドイツがヨーロッパを蹂躙することがないように歯止めをかける 3.ドイツを誰が守るのか という3点に集約された。上記のイスメイの言葉は、ロシアを排除してアメリカによってドイツを守らせ、同時に歯止めをかけるという処方箋を端的に示している。
- ^ 同時に東ドイツも、1952年に編成された兵営人民警察を格上げする形で、1956年に正式に国家人民軍を創設した。
- ^ 一般には7.62x51mm NATO弾のこと。
- ^ 264万7927米ドル。
- ^ 英: North Atlantic Council
- ^ 英: Allied Command, Europe
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出典
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参考文献
- 佐瀬昌盛『NATO――21世紀からの世界戦略』(文春新書)ISBN 978-4166600564
- 軍事同盟研究会編『最強の軍事同盟NATO』(アリアドネ企画)
- 防衛法学会編『新訂 世界の国防制度』(第一法規出版)
- NATO概要 (PDF) 平成27年1月 外務省(図解あり)
- 北大西洋条約1949年にNATOを設立した基本条約の全文(日本語訳)
関連項目
- 集団安全保障条約機構 - ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アルメニア、ベラルーシの6か国から成るNATOと対峙する機構。
- 中国脅威論
- 大西洋主義
- 北大西洋条約機構の旗
- NATOコードネーム
- NATOフォネティックコード
- NATO弾
- NATOの拡大
- NATO陸軍士官の階級と徽章
- MNNA - 同機構のメンバーに該当しない同盟国に軍事的、財政的な優遇を与える目的で、米国政府の指定により結ばれた軍事同盟およびその参加国
- ワルシャワ条約機構
- フォークランド紛争
- リフォージャー演習
- 平和のためのパートナーシップ
- 欧州・大西洋パートナーシップ理事会
- 個別的パートナーシップ行動計画
- 国際治安支援部隊
- アグスタ・スキャンダル — ベルギー陸軍のヘリコプター選考過程において贈賄が行われたとされ、当時のベルギー出身の事務総長が辞任した事件。
- 欧州連合
- 欧州安全保障協力機構
- 東南アジア条約機構
- 西欧同盟
- .nato
- ネイト (エジプト神話)
- オーディン
- シャイヨ宮 - パリ・ドフィーンヌ大学
外部リンク
- 北大西洋条約機構公式ウェブサイト(英語)
- 北大西洋条約機構 (NATO) - 外務省
- The Parallel History Project on Cooperative Security (PHP) - en:Parallel History Project
- 『北大西洋条約機構』 - コトバンク
- NATO - Twitter