単位記号

単位記号(たんいきごう、unit symbol)とは、計量単位を示す記号である。計量法においては「計量単位の記号」または単に「記号」としている。

単位記号は、日本では計量法第7条に基づき、計量単位規則で定められている。国際単位系(SI)においては、国際単位系国際文書第9版(2019年)で定められている。両者に共通する計量単位についての単位記号は完全に同一である[注 1]

SI接頭語の記号(k,M,G,c,m,µ など)は、それ単独では単位記号ではないが、単位記号と結合して新しい単位記号を形成するので[4]、ここで言及する。

文字種

法定計量単位SI単位においては、単位記号はほとんどが1文字または数文字のラテン文字によって表記される。SI接頭語記号も同じである。ごく少数であるがラテン文字以外の文字種も用いられており、次のとおりである。

組立単位の場合は、上記に加えて、べき乗を表す数字(例:m3、m s-2)、分数を構成するための斜線「 / 」、積を表す中黒「・」が用いられる。

SI接頭語の記号

SI接頭語の記号を単位記号に結合して作られたグループは、元の単位の倍量および分量倍量・分量単位)を表す新しい不可分な単位記号を形成し、それらを正または負の指数でべき乗することができる。また、他の単位記号と組み合わせて合成単位記号を形成することもできる[4]

記法

単位記号の記法において注意すべき点は以下である。

  • 単位記号・SI接頭語記号は、直立体で表記する。(注)これに対して、の記号はイタリック体で表記する。
  • 大文字小文字の別を厳格に守る(#誤りやすい表記)。
  • 単位記号は複数形にはしない。(注)これに対して、欧文で単位記号ではなく、単位名(例えば metre)を用いる場合は、3.2 metres のように複数形にする。
  • 単位記号の後にはピリオドを付けない。ただし文章(特に欧文)の終わりに単位記号が示されるときはピリオドがあっても良い。
  • 単位記号に、量の性質に関する追加情報を付けてはならない。 例:最大電位差は、Umax = 1000 V と書く。U = 1000 Vmax  とはしない[5]

なお計量法体系の規定では、ラテン文字・数字についての全角半角の概念そのものがないので、全角表記も半角表記も用いることができる。

組立単位の表記

SI基本単位(7個)の記号と固有の記号を持つSI組立単位(22個)の記号を組み合わせて、様々な量について単位記号を構成することができる。その場合の記法は次の通りである[6][7]

単位の積

  • 2つ以上の単位の積で新しい単位を表現する場合は,次の例のいずれかの記法を用いる。

単位記号と接頭語記号が同じとなる、m(メートルのm、ミリのm),T(テスラのT、テラのT),h(のh、ヘクトのh)が使われる場合は誤解が生じないように注意する。

単位の商

  • 単位同士の商の形で新しい単位を表現する場合は次の例のいずれかの記法を用いる。ただし,斜線による記法では,同一行に2つ以上の斜線を入れてはいけない。複雑な構成の単位の場合は負のべき乗又は括弧を用いる。
    • m/s2 (m/s/sは不可)
    • m·s-2
    • J/(mol·K) (J/mol/Kは不可)
    • J·mol-1·K-1

注意すべき単位の積

仕事熱量および電力量の3つの物象の状態の量物理量)は、いずれも広義ではエネルギーと同じ物理量であって[注 5]、同じ計量単位ジュールワット秒またはワット時)で表される。このうち、ワット秒とワット時については、仕事・熱量を表す単位記号と電力量を表す単位記号は以下のように異なっている(キロワット時#単位記号)。

  • 仕事および熱量の単位記号:W・s(ワット秒)、W・h(ワット時)、kW・h(キロワット時)
  • 電力量の単位記号:Ws(ワット秒)、Wh(ワット時)、kWh(キロワット時)、

すなわち、電力量の単位記号は、中黒「・」を挟まない記号と規定されている。電力量計は特定計量器の一つであり、記号として「kW・h」を用いると検査に合格できない。

SI接頭語との組み合わせ

SI接頭語を組み合わせる単位記号の表記方法は次のとおりである(SI接頭語#使用法も参照)。

  • 接頭語記号は、その前後の文章の様式にかかわらず[注 6]、単位記号と同様に立体で表記する。
  • 接頭語記号と単位記号の間にはスペースを空けずに表記する。
  • 接頭語は1つだけを用い,µµF(マイクロ マイクロ ファラド)やmmm(ミリ ミリ メートル)のように2つ以上重ねてはならない。pF(ピコ ファラド)やµm(マイクロ メートル)のように表す。なお質量の単位キログラムkgはすでに接頭語が付いているので,10-6 kgを示すのに,µkg ではなく、mg のようにグラムに接頭語を付ける。

誤りやすい表記

誤って表記されやすい単位記号の例としては次のものがある[8]

  • 10 Kg → 正しくは、10 kg
  • 30 M → 正しくは、30 m
  • 60 HZ → 正しくは、60 Hz
  • 50 sec → 正しくは、50 s
  • 10 → 正しくは、10 l または 10 L

以下は、国際単位系国際文書における誤りの例である。

単位の名称の省略語や単位記号の省略語を使ってはならない[9]

  • sec → 正しくは、s または秒(second) (再掲)
  • sq.mm → 正しくは、mm2 または平方ミリメートル(square millimetre)
  • cc → 正しくは、cm3または立方センチメートル(cubic centimetre)
  • mps → 正しくは、m/s メートル毎秒(metre per second)

大文字で始まる記号

大文字で始まる単位記号は、人名に由来するものが多いが、全てがそうではない。

人名に由来

人名に由来する単位記号は、その最初の文字は大文字である。SI単位では、次のものが該当する。

  • 基本単位:A(アンペア)、K(ケルビン)
  • 組立単位:Hz(ヘルツ)、N(ニュートン)、Pa(パスカル)、J(ジュール)、W(ワット)、C(クーロン)、V(ボルト)、F(ファラド)、Ω(オーム)、S(ジーメンス)、Wb(ウェーバ)、T(テスラ)、H(ヘンリー)、℃(セルシウス度)、Bq(ベクレル)、Gy(グレイ)、Sv(シーベルト)
  • SI併用単位:Da(ダルトン)、Np(ネーパ)、B(ベル)

以下はSI単位ではなく計量法の法定計量単位におけるものである。

  • Ci(キュリー)、R(レントゲン)、P(ポアズ)、St(ストークス)、°F(カ氏度)、

Å(オングストローム)、Gal(ガル)[注 7]、Torr(トル)

以下は計量法の省令単位におけるものである。

人名に由来しないが大文字で始まる記号

次のものはSI併用単位であり、大文字で始まるが、人名に由来する単位記号ではない。

次のものは法定計量単位であり、大文字で始まるが、人名に由来する単位記号ではない。

  • M:(海里) 海面又は空中における長さの計量に限る。もう一つの記号はnm。
  • T:(トン数)船舶の体積の計量に限る。
  • Btu:(英熱量)熱量(ヤードポンド法)
  • PS:(仏馬力)工率

次のものは省令単位であり、大文字で始まるが、人名に由来する単位記号ではない。

特別の記号

次の記号は、単独では単位記号とは言えないが、大文字で始まり、それぞれメートル又はその分量単位と連結して単位記号となる。生体内の圧力の計量又は血圧の計量に用いられる。

  • 水銀柱:Hg
  • 水柱:H2O
    • 水柱メートル:mH2O
    • 水柱センチメートル:cmH2O
    • 水柱ミリメートル:mmH2O

小文字で始まる記号

人名に由来しない単位記号で、#人名に由来しないが大文字で始まる記号以外の記号は、その最初の文字は小文字で表記される。

小文字で始まるが、途中に大文字が現れる単位記号が2つある。

  • eV(電子ボルト)
  • dB(デシベル)[注 8] である。

2つの単位記号

ほとんどの計量単位については、単位記号はただ一つであるが、2つの単位記号を持つ単位がある。

国際単位系(SI)

計量法の法定計量単位

  • リットル:l または L(再掲)
    • リットルを含む全ての法定計量単位:グラム毎リットル(g/l・g/L)、リットル毎時(l/h・L/h)など8単位
  • 回転速度 回毎分:r/min 又は rpm
  • 回転速度 回毎時:r/h 又は rph
  • 濃度
    • 体積百分率:vol% 又は %
    • 体積千分率:vol‰ 又は ‰
    • 体積百万分率:volppm 又は ppm
    • 体積十億分率:volppb 又は ppb
    • 体積一兆分率:volppt 又は ppt
    • 体積千兆分率:volppq 又は ppq
  • 海里:M または nm [10]
  • 屈折度 ディオプトリー:Dptr 又は D


同一アルファベットによる単位記号

単位記号とSI接頭語の記号には、同じ単一のアルファベット小文字、大文字)を用いているものがあるので、混同しないように注意しなければならない(#誤りやすい表記)。以下に、その異同を示す(SI単位、SI接頭語、SI併用単位、1999年10月以降の法定計量単位に限る。)。太字の記号は、全く同一の記号である。

表 単位記号とSI接頭語記号(同一アルファベット、小文字、大文字)
単位記号 単位の名称 属性 SI接頭語の記号 SI接頭語の名称
a アール 非SI単位 a アト
A アンペア SI基本単位
C クーロン SI組立単位 c センチ
°C セルシウス度 SI組立単位    
d SI併用単位 d デシ
D デニール 省令単位   
D[注 9] ディオプトリー 省令単位   
Da ダルトン SI併用単位 da デカ
F ファラド SI組立単位 f フェムト
g グラム SI単位 G ギガ
gal ガロン ヤード・ポンド法  
Gal ガル 非SI単位  
h SI併用単位 h ヘクト
H ヘンリー SI組立単位   
K ケルビン SI基本単位 k   キロ
m メートル SI基本単位 m ミリ
M 海里 非SI単位 M メガ
N ニュートン (単位) SI組立単位 n ナノ
P ポアズ 非SI単位 P ペタ
        q  クエクト
        Q  クエタ
        r  ロント
        R  ロナ
s SI基本単位  
S ジーメンス SI組立単位  
t トン 非SI単位  
T テスラ SI組立単位 T テラ
T トン(船舶の体積) 非SI単位  
        y  ヨクト
        Y  ヨタ
        z  ゼプト
        Z  ゼタ

異なる計量単位の同一の単位記号

次に掲げる単位記号 rad、T、oz、fl oz、D は、異なる計量単位、異なる定義であるにもかかわらず、計量法においては全く同一の単位記号となっており、極めて紛らわしい。

表 同一の単位記号(rad)
単位記号 物象の状態の量 単位の名称 属性 定義 
rad 角度 ラジアン SI組立単位 円の半径に等しい長さの弧の中心に対する角度
rad 吸収線量 ラド 非SI単位、法定計量単位 0.01 Gy

過去の国際単位系国際文書においては、ラドの記号は、紛らわしい場合は、rad に替えて rd を使うことができるとされていた[11]

表 同一の単位記号(T)
単位記号 物象の状態の量 単位の名称 属性 定義 
T 磁束密度 テスラ SI組立単位 磁束の方向に垂直な面の1 m2につき1 Wbの磁束密度
T 体積 トン 特殊の計量に用いる計量単位(船舶の体積の計量に限る) 1000/353 m3(約2.832 861 m3
表 同一の単位記号(oz)
単位記号 物象の状態の量 単位の名称 属性 定義 
oz 質量 トロイオンス 特殊の計量に用いる計量単位(金貨の質量の計量に限る) 31.1035 g(正確に)[注 10]
oz 質量 オンス ヤード・ポンド法 28.349 523 125 g(正確に)

ヤード・ポンド法を用いる国では、トロイオンスの記号として oz t 、ozt 、oz tr などを用いているので紛れがない。

表 同一の単位記号(fl oz)
単位記号 物象の状態の量 単位の名称 属性 定義 
fl oz 体積 米液用オンス ヤード・ポンド法、法定計量単位 29.5735 mL[注 11]
fl oz 体積 英液用オンス ヤード・ポンド法、法定計量単位 28.4134 mL[注 12]
表 同一の単位記号(D)
単位記号 物象の状態の量 単位の名称 属性 定義 
D 繊度 デニール 省令単位 キログラム毎メートルの九百万分の一
D[注 13] 屈折度 ディオプトリー 省令単位 焦点距離が一メートルである屈折度

上記以外に、海里の単位記号である nm (もう一つの記号は M)は、メートルの10-9を表す nm (ナノメートル) と同一であり、かつ両方とも物象の状態の量が「長さ」であり、紛らわしい。ただ、両者のスケール差は1兆倍以上であり、また使用される状況が全く異なるので、実用上で混同されることはまずない。

規定の根拠

日本の計量法第7条に基づき、計量単位規則の別表第2(主要な単位:国際単位系(SI)に係る単位、SI単位のない量についての非SI単位、SI単位のある量についての非SI単位)、別表第3(SI接頭語)、別表第4(特殊の計量に係る単位)、別表第5(省令単位)、別表第6(ヤード・ポンド法による単位)、別表第7(仏馬力)で規定されている。

国際単位系(SI)で規定されている単位については、国際単位系国際文書第9版(2019年)[12]の表2(基本単位)、表4(固有の名称と記号を持つ22個のSI単位)、表5、表6、表7(SI接頭語)、表8(SI併用単位)に示されている。

計量単位規則と国際単位系国際文書第9版(2019年)に共通する計量単位についての単位記号は完全に同一である[注 14]

規範性

計量法

日本の計量法第7条では「計量単位の記号による表記において標準となるべきものは、経済産業省令(計量単位規則)で定める。」としており、単位記号の書き方を一意に規制しているわけではなく、定められた記号以外のものの使用に罰則が伴う規制ではない[13]

しかしながら、大文字と小文字の区別については大文字と小文字とで違う意味をもつもの(例えば、m(ミリ)、M(メガ))が存在するので、正しく区別して使用すべきである(#同一アルファベットによる単位記号)。

特定計量器

特定計量器[注 15]に表記する単位記号については、計量単位規則が定める記号を用いなければ検定に合格できず、使用することができない[14]

国際単位系

国際単位系(SI)においては、定められた正しい単位記号を用いることは必須(mandatory)である[15] 。ただし国際単位系国際文書は日本における法令ではないので罰則が伴う規制が働くわけではない。

単位記号の一覧

以下に計量単位記号をアルファベット順に示す。列挙順序は、特殊文字、アルファベット(小文字、大文字の順)、ギリシャ文字の順である。

  • 固有の記号を持たない組立単位(m2、kg/m3、m/s、J/K、Pa s のような単位)およびSI接頭語を付した単位(km、ms、MPa、THz のような単位)は記載していない(ただしSI接頭語の記号そのものは含めている)。

表内の記号の意味は次のとおりである。

  • SI接頭語」の欄:
    • 可:SI接頭語を付することができる
    • 不可:SI接頭語を付することができない
    • 不明:SI接頭語を付することができる/できないが不明
  • 備考などの欄
表 計量単位記号の一覧(アルファベット順)
単位記号 計量単位 英語表記 物象の状態の量 法定計量単位 SI単位 SI接頭語 備考 関連単位など
質量百分率 percent 濃度 不可 体積百分率、湿度百分率の単位記号でもある。
質量千分率 per mille 濃度 不可 体積千分率の単位記号でもある。
サイクル cycle 周波数 1997年9月末に廃止 別に「c」、「c/s」もあった。kc,Mc,Gc,Tcも。
° degree 角度 不可
minute 角度 不可
second 角度 不可
a アール are 面積  特  非  不可 土地の面積の計量に限る。 ha(ヘクタール)はSI併用単位
a アト atto --- ---  SI接頭語
atm 気圧 standard atmosphere 圧力 不可
au 天文単位 astronomical unit 長さ 不明 SI(1970)では UA、SI(1998,2006)では ua
A アンペア ampere 電流    可     
Å オングストローム angstrom 長さ  不可 電磁波の波長、膜厚又は物体の表面の粗さ若しくは結晶格子に係る長さの計量に限る。
AT アンペア回数 ampere-turn 起磁力 1997年9月末に廃止
b バーン barn 面積 不明
bar バール bar 圧力 可 
B ベル bell (比の対数) 不可 「比の対数」は72の物象の状態の量に含まれない。 別にdB(デシベル)がある。
Bh 重ボーメ度 Baumé degrees (heavy) 比重 不可
Bq ベクレル becquerel 放射能
Btu 英熱量 British thermal unit 熱量 (可) 計量法ではSI接頭語の付加を認めていない。
c センチ centi --- ---  SI接頭語
c サイクル cycle 周波数 1997年9月末に廃止 別に「~」、「c/s」もあった。kc,Mc,Gc,Tcも。
cd カンデラ candela 光度 可  基本単位
cal カロリー calorie 熱量 不可  人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量に限る。 別にkcal,Mcal,Gcalがある。
calt t 度カロリー t° calorie 熱量 温度がt ℃ のときの熱量。1999年9月末に廃止 kcalt,Mcalt,Gcalt
cmHg 水銀柱センチメートル centimetre of mercury 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。
cmH2O 水柱センチメートル centimetre of water 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。
ct カラット carat 質量 不可 宝石の質量の計量に限る。
C クーロン coulomb 電気量 可 
セルシウス度 degree Celsius 温度 湿度の単位記号でもある。  
Ci キュリー  curie 放射能    非 
d day 時間 (非) 不可 計量法では計量単位ではなく暦の単位。
d デシ deci --- --- SI接頭語
da デカ deca --- --- SI接頭語
dB デシベル decibell 電磁波の減衰量、音圧レベル、振動加速度レベル 不可 SIでは量(quantity)は「比の対数」としている。 別にB(ベル)がある。
dB ホン phon 音圧レベル 不可 1997年9月末に廃止
dpm 壊変毎分 放射能 不明 1995年9月末に廃止
dps 壊変毎秒 放射能 不明 1995年9月末に廃止
dyn ダイン dyne 1995年9月末に廃止
D デニール denier 繊度 不可
D ディオプトリー dioptre 屈折度 不可 もう一つの記号は、Dptr
Da ダルトン dalton 質量 同じ単位の別称として統一原子質量単位(u)がある。
Dptr ディオプトリー dioptre 屈折度 不可 もう一つの記号は、D
eV 電子ボルト electron volt エネルギー 「エネルギー」は「物象の状態の量」ではない。対応する物象の状態の量は仕事、熱量、電力量のいずれかである。
erg エルグ erg 仕事 1995年9月末に廃止
E エクサ exa --- --- SI接頭語
f フェムト femto --- --- SI接頭語
f フェルミ fermi 長さ 不明
fl oz 米液用オンス US fluid ounce 体積 不可 英液用オンスも同じ記号。
fl oz 英液用オンス imperial fluid ounce 体積 不可 米液用オンスも同じ記号。
ft フート又はフィート foot, feet 長さ 不可
ftH2O 水柱フート又は水柱フィート foot-H2O 圧力 不可
F ファラド farad 静電容量
°F カ氏度 degree Fahrenheit 温度 不可
g グラム gram 質量 基本単位は kg(キログラム)
gf 重量グラム gram-force 不可 1999年9月末に廃止 kgf(重量キログラム)、tf(重量トン)
gr グレーン grain 質量 不可
gal ガロン gallon 体積 不可
gon ゴン gon 角度 不可
G ギガ giga --- --- SI接頭語
G ガウス gauss 磁束密度 1997年9月末に廃止 他の記号Gs,SI(1970),p.16
Gs ガウス gauss 磁束密度 1997年9月末に廃止 SI(1970),p.16、SI(1991)までの記号
Gy グレイ  gray 吸収線量、カーマ
Gal ガル gal 加速度 不可 別にmgal(ミリガル)がある。
Gcal ギガカロリー gigacalorie 熱量 不可  人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量に限る。 別にcal,kcal,Mcalがある。
h ヘクト hecto --- --- SI接頭語
h hour 時間 不可
ha ヘクタール hectare 面積 不可 土地の面積の計量に限る。 別にa(アール)がある。
H ヘンリー henry インダクタンス  
Hz ヘルツ herz 周波数
in インチ inch 長さ 不可
inHg 水銀柱インチ inch-Hg 圧力 不可
inH2O 水柱インチ inch-H2O 圧力 不可
Jy ジャンスキー jansky 電磁波束密度 不明 SI(1998),p.108
J ジュール joule 仕事、熱量、電力量 SIではエネルギーの単位でもある。
k キロ kilo --- --- SI接頭語
kcal キロカロリー kilocalorie 熱量 不可  人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量に限る。 別にcal,Mcal,Gcalがある。
kg キログラム kilogram 質量 不可 基本単位。SI接頭語はg(グラム)に付ける。
kat カタール katal (酵素活性) 酵素活性は72の物象の状態の量に含まれず、取引・証明に用いても問題ない。
kgf 重量キログラム kilogram-force 不可 1999年9月末に廃止 gf(重量グラム),mgf,tf(重量トン),ktf,Mtf
kn ノット knot 速さ 不可 航海又は航空に係る速さの計量に限る。 SI(2006),p.127による。計量法での記号は kt である。
kt ノット knot 速さ 不可 航海又は航空に係る速さの計量に限る。 計量法での記号である。SI(2006)p.127では kn であった。
K ケルビン kelvin 温度 基本単位、SIでの量は熱力学温度
l リットル litre 体積 もう一つの記号は、L
lb ポンド pound 質量 不可
lbf 重量ポンド pound-force 不可
lm ルーメン lumen 光束
lx ルクス lux 照度
L リットル litre 体積 もう一つの記号は、l
m メートル metre 長さ 基本単位
m ミリ milli --- --- SI接頭語
Mdyn メガダイン megadyne 1995年9月末に廃止 別にdynがあった。
mGal ミリガル milligal 加速度 不可
mH2O 水柱メートル metre of water 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。
mHg 水銀柱メートル metre of mercury 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。
mi マイル mile 長さ 不可 計量法では記号は定められていない。平方マイルの記号はmile2
min minute 時間 不可
mol モル mole 物質量 基本単位
mom もんめ momme 質量 不可 真珠の質量の計量に限る。
mmHg 水銀柱ミリメートル millimetre of mercury  圧力 不可 血圧の計量、生体内の圧力の計量に限る。
mmH2O 水柱ミリメートル millimetre of water 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。
mTorr ミリトル millitorr 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。 別にTorr(トル)、µTorr(µトル)がある。
ミリミクロン millimicron 長さ 不可 1997年9月末に廃止 別に µ があった。
M メガ mega --- --- SI接頭語
M 海里 nautical mile 長さ 不可 海面又は空中における長さの計量に限る。 計量法での記号は、Mまたはnmのみに限られる。
Mcal メガカロリー megacalorie 熱量 不可  人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量に限る。 別にcal,kcal,Gcalがある。
Mx マクスウェル maxwell 磁束 1997年9月末に廃止
n ナノ nano --- --- SI接頭語
nm 海里 nautical mile 長さ 不可 計量法での記号は、Mまたはnmのみに限られる。
nmi 海里 nautical mile 長さ 不可 SI(2006)における記号はnmi,M,Nm,NM
N ニュートン newton
N 規定 normality 濃度 不可 1997年9月末に廃止 
Nm 海里 nautical mile 長さ 不可 SI(2006)における記号はnmi,M,Nm,NM
NM 海里 nautical mile 長さ 不可 SI(2006)における記号はnmi,M,Nm,NM
Np ネーパ neper 比の対数 不可
oz トロイオンス ounce 質量 不可 金貨の質量の計量に限る。他の記号は、oz tr,oz t, ozt #異なる計量単位の同一の単位記号を参照
oz オンス ounce 質量 不可 トロイオンスとは異なる。 #異なる計量単位の同一の単位記号を参照
Oe エルステッド oersted 磁界の強さ 1997年9月末に廃止
p ピコ pico --- --- SI接頭語
pc パーセク parsec 長さ SI(1970,1973,1977)ではSI併用単位(実験的に得られる)であった。
ph フォト phot 照度 SI(1970),p.16
pH ピーエッチ pH 濃度   不可
pt compass point 角度 不可 航海又は航空に係る角度の計量に限る。
ppb 質量十億分率 parts-per-billion 濃度 不可 体積十億分率の単位記号でもある。
ppm 質量百万分率 parts-per-million 濃度 不可 体積百万分率の単位記号でもある。
ppq 質量千兆分率 parts-per-quadrillion 濃度 不可 体積千兆分率の単位記号でもある。
ppt 質量一兆分率 parts-per-trillion 濃度 不可 体積一兆分率の単位記号でもある。
P ペタ peta --- --- SI接頭語
P ポアズ poise 粘度
Pa パスカル pascal 圧力、応力
PS 仏馬力 horse power 工率 不可
q クエクト quecto --- --- SI接頭語
Q クエタ quetta --- --- SI接頭語
r ロント ronto --- --- SI接頭語
rad ラド rad 吸収線量 ラジアンの記号(rad)と紛らわしい場合には代わりに rd を使うことができた(SI(1991),p.80)。計量単位規則にはこの規定はない。
rad ラジアン radian 平面角
rd ラド rad 吸収線量 radがラジアンの記号(rad)と紛らわしい場合の代わりの記号(SI(1991),p.80) 計量単位規則には rd の記号はない。
rem レム rem 線量当量
rph 回毎時 rotations per hour 回転速度 不可 r/hの記号も認められている。
rpm 回毎分 rotations per minute 回転速度 不可 r/minの記号も認められている。
R ロナ ronna --- --- SI接頭語
R レントゲン röntgen 照射線量
s second 時間
sb スチルブ stilb 輝度 SI(1970),p.16
sr ステラジアン steradian 立体角
st ステール stere 体積 SI(1970),p.16
S ジーメンス siemens コンダクタンス
St ストークス stokes 動粘度
Sv シーベルト sievert 線量当量
t トン tonne 質量
tex テクス tex 繊度 不可
tf 重量トン ton-force 1999年9月末に廃止
T テラ tera --- --- SI接頭語
T テスラ tesla 磁束密度
T トン tonnage 体積 不可 船舶の体積の計量に限る。
Torr トル torr 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。 別にmTorr(ミリトル)、µTorr(マイクロトル)がある。
u 統一原子質量単位 unified atomic mass unit 質量 Da(ダルトン)の別称であるが、SI併用単位ではない。
ua 天文単位 astronomical unit 長さ 不明 SI(1998),p.106 SI(1970)では UA、2012年以降の記号はau
var バール volt-ampere reactive 無効電力
vol% 体積百分率 濃度 不可 もう一つの記号は%。
vol‰ 体積千分率 濃度 不可 もう一つの記号は‰。
volppb 体積十億分率 濃度 不可 もう一つの記号はppb。
volppm 体積百万分率 濃度 不可 もう一つの記号はppm。
volppq 体積千兆分率 濃度 不可 もう一つの記号はppq。
volppt 体積一兆分率 濃度 不可 もう一つの記号はppt。
V ボルト volt 電圧、起電力 SIでの量は電位差
W ワット watt 工率、電力、音響パワー SIでの量は仕事率、放射束
Wb ウェーバ weber 磁束
xu X線単位 X unit 長さ 不明
y ヨクト yocto --- --- SI接頭語
yd ヤード yard 長さ 不可
Y ヨタ yotta --- --- SI接頭語
z ゼプト zepto --- --- SI接頭語
Z ゼタ zetta --- --- SI接頭語
γ ガンマ gamma 質量 不明 SI(1970),p.16
γ ガンマ gamma 磁束密度 不明 1997年9月末に廃止
λ ラムダ lambda 体積 不明 SI(1970),p.16
µ マイクロ micro --- --- SI接頭語
µ ミクロン micron 長さ 不可 1997年9月末に廃止 別にmµがあった。
µTorr マイクロトル microtorr 圧力 不可 生体内の圧力の計量に限る。 別にTorr(トル)、mTorr(ミリトル)がある。
Ω オーム ohm 電気抵抗、インピーダンス

脚注

注釈

  1. ^ 国際単位系国際文書第8版(2006年)までは、海里ノットの記号に齟齬があった。第9版(2019年)では「海里」、「ノット」そのものが挙げられていない。
  2. ^ SI接頭語の記号であるが、µm(マイクロメートル) を意味する古い単位記号でもあった。
  3. ^ サイクル (単位)の記号の一つであったが、1997年10月に廃止された。
  4. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)には、この様式は規定されていない。
  5. ^ ただし計量法では、「エネルギー」は物象の状態の量には位置づけられていない。
  6. ^ この「文章の様式」とは、欧文における立体イタリック体斜体のことである。
  7. ^ ガルは、国際単位系国際文書SI併用単位の一覧表の欄外に参考として掲げられている。
  8. ^ デシベルの由来はベル(B)に1/10を表すd(デシ)を付したものであるが、国際単位系国際文書では、ベルとは別の計量単位と位置づけている。計量法では、デシベル(dB)は法定計量単位であるが、ベル(B)は非法定計量単位である。
  9. ^ もう一つの単位記号は Dptr
  10. ^ 欧米では、正確に 31.103 4768 g である。
  11. ^ 米国では、正確に 29.573 529 5625 mL である。
  12. ^ 英国では、正確に 28.413 0625 mL である。
  13. ^ もう一つの単位記号は Dptr
  14. ^ 第8版(2006)以前のSI国際文書と計量単位規則とでは、国際的に合意された記号がない海里ノットの単位記号が異なっていた。
  15. ^ 秤、体積計、温度計、水道メーター、電力量計、比重計、タクシーメーターなど、一般消費者の生活に用いられる計量器で定期検査を受けなければならない。
  16. ^ なお、計量法の規定上は、a(アール)に対するha(ヘクタール)、Gal(ガル)に対するmGal(ミリガル)、Torr(トル)に対するmTorr(ミリトル)・µTorr(マイクロトル)、cal(カロリー)に対するkcal(キロカロリー)・Mcal(メガカロリー)・Gcal(ギガカロリー)はSI接頭語が付された単位の扱いではなく、それぞれ独立した単位として扱われているので、以下の一覧表でも別に掲載してある。

出典

  1. ^ The International System of Units - 9th editon - Complete text in English and French(2019) p.147
  2. ^ 計量法 第7条
  3. ^ 計量単位規則 別表第2、表頭
  4. ^ a b #国際単位系(SI)第9版(2019) p.112
  5. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019) p.118、欄外の例
  6. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019) pp.116-117
  7. ^ 計量標準とは 国際単位系(SI: The International System of Units)、現在のSIのあらまし、1. 単位記号の使い方  2. 接頭語の使い方、計量標準総合センター、産総研
  8. ^ 国際単位系は世界共通のルールです 2023年3月改訂版、p.2 における例による。
  9. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019) p.116
  10. ^ 計量単位規則 別表第4
  11. ^ SI Brochure(1991) p.80, Table 10 note h
  12. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)
  13. ^ 3.法定計量単位 (6)単位記号について
  14. ^ 特定計量器検定検査規則 (計量単位)第八条 2項 特定計量器に表記されている法定計量単位等の記号は、単位規則第二条に定めるものを標準とするものでなければならない。
  15. ^ SI Brochure: The International System of Units (SI) p.147, The use of the correct symbols for SI units, and for units in general, as listed in earlier chapters of this brochure, is mandatory.

関連項目

参考文献

外部リンク