外務省

日本の旗 日本行政機関
外務省
がいむしょう
Ministry of Foreign Affairs
Seal of the Ministry of Foreign Affairs of Japan.svg
外務省庁舎
外務省庁舎
役職
大臣 林芳正
副大臣 小田原潔
鈴木貴子
大臣政務官 上杉謙太郎
本田太郎
三宅伸吾
事務次官 森健良
組織
上部組織 内閣[1]
内部部局 大臣官房
総合外交政策局
アジア大洋州局
北米局
中南米局
欧州局
中東アフリカ局
経済局
国際協力局
国際法局
領事局
国際情報統括官
審議会等 外務人事審議会
海外交流審議会
施設等機関 外務省研修所
特別の機関 在外公館
概要
法人番号 9000012040001 ウィキデータを編集
所在地 100-8919
東京都千代田区霞が関2-2-1
北緯35度40分26.4秒 東経139度44分56.4秒 / 北緯35.674000度 東経139.749000度
定員 6,497人[2]
年間予算 6904億13万8千円[3](2022年度)
設置 1869年明治2年)8月15日(旧暦7月8日)
前身 外国官
ウェブサイト
外務省

外務省(がいむしょう、英語: Ministry of Foreign Affairs、略称: MOFA)は、日本行政機関のひとつ。日本の外交を所管する。

概説

上述の外務省設置法第3条に掲げた目標を達成するため、外交政策、外交使節、通商航海、条約等の国際法規の締結、運用、外国政府との交渉、情報収集、分析、発信、在留邦人の保護および文化広報活動など国の対外関係事務全般を司る。

外務省の刊行物には、外務省発行の外交専門誌「外交[5]がある。

所掌事務

外務省設置法第4条は、計29項目の所掌する事務を列記している。

主なものに以下がある。

  • 外交政策(外務省設置法第4条第1項第1号)
  • 外国政府との交渉(第2号)
  • 国際連合その他の国際機関等(第3号)
  • 条約締結(第4号)
  • 国際法規の解釈および実施(第5号)
  • 渉外法律事項(第6号)
  • 国際情勢の情報収集および分析ならびに外国および国際機関等に関する調査(第7号)
  • 日本国民の海外における法律上または経済上の利益その他の利益の保護および増進(第8号)
  • 海外における邦人の生命および身体の保護その他の安全(第9号)
  • 海外における邦人の身分関係事項(第10号、第11号)
  • 旅券(いわゆるパスポート)の発給ならびに海外渡航および海外移住(第12号)
  • 査証(いわゆるビザ)(第13号)
  • 本邦に在留する外国人の待遇(第14号)
  • 海外事情についての国内広報(第15号)
  • 日本事情についての海外広報(同号)
  • 外国における日本文化の紹介(第16号)
  • 外交文書の発受(第17号)
  • 外交官および領事官の派遣(第18号)
  • 外交官および領事官の接受ならびに国際機関の要員の受入れ(第19号)
  • 勲章記章日本の栄典の国際的なあっせん(第20号)
  • 儀典その他の外交上の儀礼(第21号)
  • 外交史料の編さん(第22号)
  • 外地整理事務(第23号)
  • 政府開発援助(第24~26号)

海外滞在中の日本人犯罪行為により、その国家の刑務所収監されたり、死刑判決が下される場合、外務省(在外公館の職員)は、邦人保護の一環として面会などの対応をとる。

庁舎

外務省庁舎

外務省庁舎は千代田区霞が関2丁目2番1号本館に所在する。小坂秀雄設計。「本館(中央・南庁舎)」、「本館(北庁舎)」および「新庁舎」の3つの建物から構成され、それらは口型に配置されている[6]

中央・南庁舎は地上8階、地下1階のL字型の建物であり、内部は中央庁舎と南庁舎に分かれている。1970年(昭和45年)に完成した。北庁舎は地上8階、地下1階で1960年(昭和35年)完成。

新庁舎は南庁舎と北庁舎の間、中央庁舎の向かい側に位置し、地上7階、地下3階である。北庁舎から中央庁舎への連絡は2階-1階、5階-4階、および8階-7階である。

南庁舎から中央庁舎への連絡は2階-1階及び8階-7階である。1995年(平成7年)に完成した。

以前は南庁舎には旧科学技術庁および公正取引委員会が入居していたが、中央省庁再編に伴い移転した。

本庁舎の耐震工事のため、2002年(平成14年)初頭から2003年(平成15年)末まで一時的に仮庁舎が開設され、港区芝公園の住友不動産芝公園タワーに移転した。

旅券課など一部の部署は港区芝大門の住友芝大門ビルに分散入居していた。南庁舎2階には、24時間営業のコンビニエンスストアローソン2013年2月13日現在)がある。霞が関に立地する最初の官庁である。終戦後は日産館などに入居していた。

飯倉別館

飯倉公館ともいう。首脳会談や外相会談のほか、各種会議やレセプションなどの交流活動にも利用されている。

1971年(昭和46年)に完成。吉田五十八設計。所在地は東京都港区麻布台1丁目5番3号だが、名称に冠した「飯倉」はこの地の歴史的名称「飯倉町」に由来する。

また江戸時代幕末期の開国以来の外交資料を保管し展示する外交史料館を併設している。近傍には旧事務次官公邸だった麻布台別館もある。

沿革

旧黒田邸時代の外務省
1893年頃の外務省

1869年太政官の下に外務省が置かれる[7]

1871年(明治3年)に、外務省は銀座から霞が関に移転し、江戸時代に建築された大名屋敷福岡藩黒田邸上屋敷をそのまま使用していたが、1877年(明治10年)2月1日に焼失した。

1881年(明治14年)、英仏人建築家ボアンヴィルCharles Alfred Chastel de Boinville)の設計による新庁舎が竣工した。

1905年(明治38年)ポーツマス条約の締結(小村壽太郎)により日露戦争に勝利。以後、不平等条約の完全撤廃に繋がった。

1909年(明治42年)、電通と密約し、秘密補助金を出して電通に同省肝いりの在中国日系新聞記者に送電、配信させる構想[8]

1914年(大正3年)設立の国際通信社が出した赤字を補填。

1939年(昭和14年)ニューヨーク総領事館が『米国共産党調書』を発行し、ソ連コミンテルンアメリカ共産党による日米分断策動への注意喚起を促した。その翌年、松岡洋右外務大臣に『米国内ノ反日援支運動』を提出[9]

1941年(昭和16年)ハル・ノート(原案作成はハリー・ホワイト)の提示により日米交渉打ち切り。12月に太平洋戦争開戦。

1982年(昭和57年)レフチェンコ事件。この事件は外務省を震撼させ、後のスパイ防止法案の審議や特定秘密保護法の制定に大きな影響を与えた。さらに、ソ連崩壊後に公開されたミトロヒン文書でも裏付けられている。

1993年(平成5年)に、総合外交政策局と国際情報局が新設された。

1997年(平成9年)には、国立国会図書館調査立法考査局に出向中の松井啓専門調査員を通じ、「図書館の自由に関する宣言」を侵して野党国会議員が国会図書館に依頼した、外交、安全保障問題に関する調査資料の閲覧情報を収集調査していたことが明らかになっている[10][11][12]。外務省外交文書の公開により、2011年(平成23年)2月に発覚した。

2001年(平成13年)4月小泉純一郎内閣総理大臣に就任し第1次小泉内閣が発足したとき、田中眞紀子議員(田中角栄元総理の長女)が外相に就任した。女性初の外相。田中外相は人事凍結方針を打ち出し、外務官僚がそれに反発、外務省は機密費流用問題公金流用疑惑、裏金などの不祥事が続出し、田中外相は外務省を『伏魔殿』と呼び、外務省改革を唱えた。

以降、ことあるごとに田中外相と外務官僚の対立が続くようになった。田中外相は事務次官の任免を繰り返し、外務省改革を断行しようとするが、2001年(平成13年)9月11日発生のアメリカ同時多発テロ事件以降、外交政策官邸主導になり、肝心の外相は1人取り残されるようになった。

その後、アフガニスタン紛争復興支援に関して、NGOを復興会議から排除した問題が浮上。NGO排除に鈴木宗男議員の大きな影響があったと大西健丞NGO「ピースウィンズ・ジャパン」代表が発言、小泉首相も鈴木議員の圧力を認めたが、野上義二外務事務次官はそれを否定。田中外相、鈴木議員、外務省の3者をめぐって全面的な争いが起こった。2002年(平成14年)1月小泉純一郎は田中外相と野上事務次官を更迭した。

その後、外務省への過度な圧力などを指摘され、2002年(平成14年)3月11日に、鈴木宗男議員が証人喚問を受けることになった[13]

川口順子大臣時代の2004年(平成16年)8月1日に、儀典長(次官級)が大臣官房儀典長(局長級)に格下げ、領事移住部を領事局に格上げし、国際情報局が統括官組織に改組(国際情報統括官組織)され、条約局が国際法局に改編された。

2006年(平成18年)8月1日に、部局の統廃合が行われた。この統廃合では、躍進著しいインド東南アジア諸国連合などとの関係強化を図るため、アジア大洋州局内に「南部アジア部」が新設された。一方、局単位の改編として、経済協力局及び大臣官房国際社会協力部(ODA関係部局)を統合して「国際協力局」を新設した。よって全体の局部数に変更はない。

2012年(平成24年)1月18日に、野田第1次改造内閣野田佳彦総理)の玄葉光一郎外相時に大臣の定例記者会見に初めて英語同時通訳を導入した。大臣発言と日本人外国人記者の質問は日本語と英語に相互に訳され、会見では貸出されるイヤホンを介して聴取することが出来る[14]

2017年(平成29年)3月、文部科学省における再就職等規制違反事件で、外務省職員が違法な天下り斡旋により国立大学法人東京外国語大学特任教授に就任していたことが判明した。

2018年(平成30年)7月1日に、部局の統廃合が行われた[注釈 2]。この統廃合ではアジア大洋州局北東アジア課を二課に分け、北東アジア第一課及び北東アジア第二課を設置した。両課の設置に伴い、北東アジア第一課が韓国情勢、日韓協力等,北東アジア第二課が北朝鮮情勢、日朝関係等を所掌する。また、アジア大洋州地域に関する外交政策の総合的な企画立案及び調整の必要性が特に高い事情にかんがみ、アジア大洋州局地域政策課を地域政策参事官(組織令上は大臣官房の参事官)に改組した[15]

2020年(令和2年)8月3日に、部局の統廃合が行われた[注釈 3]。WTO協定、経済連携協定、投資協定等の紛争解決規定に基づく紛争解決の処理への対応を強化するため、国際法局に経済紛争処理課を設置、経済局経済安全保障課を廃止し、経済局政策課にエネルギー、鉱物資源、食料の安定供給の確保に関する事務を所掌する資源安全保障室を新設、総合外交政策局安全保障政策課新安全保障課題政策室の室名を経済安全保障政策室に変更する(所掌事務は変更なし)[16]

組織

外務省の内部組織は一般的に、法律の外務省設置法、政令の外務省組織令および省令の外務省組織規則が階層的に規定している。 外務大臣を長とし、内部部局として大臣官房および総合外交政策局ほか10局、審議会として外務人事審議会および海外交流審議会、施設等機関として外務省研修所、特別の機関として在外公館を設置する。

幹部

内部部局

  • 大臣官房(政令第2条)
    • 総務課(政令第18条)[注釈 4]
    • 人事課
    • 情報通信課
    • 会計課
    • 在外公館課
    • 文化交流・海外広報課
    • 儀典
    • 外務報道官・広報文化組織
      • 広報文化外交戦略課
      • 報道課
      • 文化交流・海外広報課
      • 国際報道官
  • 総合外交政策局
    • 総務課(政令第30条)
    • 安全保障政策課
      • 経済安全保障政策室(規則12条8項)
    • 国連企画調整課
    • 国連政策課
    • 人権人道課
    • 軍縮不拡散・科学部
      • 軍備管理軍縮課(政令第30条第2項)
      • 不拡散・科学原子力課
  • アジア大洋州局
    • 北東アジア第一課(政令第38条)
    • 北東アジア第二課
    • 中国・モンゴル第一課
    • 中国・モンゴル第二課
    • 大洋州課
    • 南部アジア部
      • 南東アジア第一課(政令第38条第2項)
      • 南東アジア第二課
      • 南西アジア課
  • 北米局
  • 中南米局
    • 中米カリブ課(政令第50条)
    • 南米課
  • 欧州局
    • 政策課(政令第53条)
    • 西欧課
    • 中・東欧課
    • ロシア課
  • 中東アフリカ局
    • 中東第一課(政令第58条)
    • 中東第二課
    • アフリカ部
      • アフリカ第一課
      • アフリカ第二課
  • 経済局
    • 政策課(政令第63条)
      • 資源安全保障室(規則34条4項)
    • 国際経済課
    • 国際貿易課
    • 経済連携課
  • 国際協力局
    • 政策課(政令第69条)
    • 開発協力総括課
    • 緊急・人道支援課
    • 国別開発協力第一課
    • 国別開発協力第二課
    • 国別開発協力第三課
    • 地球規模課題審議官組織
      • 地球規模課題総括課
      • 地球環境課
      • 気候変動課
  • 国際法局
    • 国際法課(政令第79条)
      • 海洋法室(規則43条1項)
      • 国際裁判対策室
    • 条約課
    • 経済条約課
    • 経済紛争処理課
    • 社会条約官
  • 領事局
    • 政策課(政令第84条)
    • 海外邦人安全課
    • 旅券課
    • 外国人課
  • 国際情報統括官組織
    • 国際情報統括官
    • 国際情報官(4人、政令第89条)

審議会等

施設等機関

  • 外務省研修所(政令第93条)

特別の機関

特別の機関として在外公館を設置する(法律第6条)。在外公館は大使館、公使館、総領事館、領事館政府代表部および日本政府在外事務所の5種類がある(法律第6条第2項・第3項)。実在する在外公館の名称および位置は「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律」に規定されている。一覧は日本国在外公館の一覧を参照。

所管法人

外務省が主管する独立行政法人 は、2021年4月1日現在、国際協力機構国際交流基金の2法人[17]。特殊法人[18] 及び特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)[19]はない。

財政

2022年度(令和4年度)一般会計当初予算における外務省所管予算は6904億13万8千円[3]。組織別の内訳は外務本省が5416億3472万2千円、在外公館が1487億6541万6千円である。

外務省は、特別会計として、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管[注釈 5]東日本大震災復興特別会計を共管する。

職員

一般職の在職者数は2021年7月1日現在、外務省全体で6,178人(男性 4,189 人、女性1,989人)である[20]。行政機関職員定員令に定められた外務省の定員は特別職171人を含めて6,497人[2]。外務省は外局を有しないため、他省のように省令の定員に関する規則はない。2022年度一般会計予算における予算定員は特別職178人、一般職6,326人の計6,504人である[3]。特別職のうち、大使が165人、公使が4人となっている。機関別内訳は本省が2,917人、在外公館が3,587人となっている。

外務省の一般職職員の給与に関する法制は、基本的に国家公務員法と一般職給与法から成るが、在外公館に勤務する職員(以下、在外職員)には、特別法として在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律(外務公務員給与法)も適用される。

外務省の一般職の職員は非現業の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として国家公務員法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国家公務員法第108条の2第3項)。2021年3月31日現在、人事院に登録された職員団体は存在しない[21]。2001年度はおよそ3割の組織率があったが、翌年度に0%となり、現在にいたる[22]。過去にあった労組は外務省職員組合で、連合・全労連いずれにも属さない中立系の組合であった。

常勤職員の採用試験には、国家公務員採用総合職試験および一般職大卒程度試験(技術系)、一般職高卒試験のほか、独自の専門職試験として外務省専門職員採用試験が設けられている(人事院規則8―18第3条)。また、任期付職員として専門調査員、在外公館派遣員(財団法人 国際交流サービス協会が派遣するもの)、現地採用職員などがある。

かつては、旧国家公務員採用I種試験に相当した外務省独自のキャリア採用試験である外務公務員採用I種試験(通称「外交官試験」)があったが、2001年(平成12年)度試験を最後に廃止された。以降は、国家公務員採用I種試験(2011年度の採用試験体系の見直し後は、国家公務員採用総合職試験)の合格者からキャリア職員を採用している。

省内の派閥関係としては、語学研修部門別の「アメリカ・スクール」、「チャイナ・スクール」、「ロシア・スクール」などがあるが、出身学校別としては、国立大学は東大、私立大学は慶大出身者などの他、専門職職員を中心とする東京外大出身者、創価学会員や創価大出身者による派閥「大凰会(凰会)」[23]などが知られている。

以下の資料は、朝日新聞出版が出版する『大学ランキング』各年度による。

総合職(2008年から2017年までの合格者)[24] 東京大学148名、京都大学31名、慶應義塾大学30名、早稲田大学16名、一橋大学14名、大阪大学3名、東京外国語大学2名、東北大学2名、中央大学2名、神戸大学1名、筑波大学1名、国際基督教大学1名、明治大学1名
外務省総合職
年度 1位 2位 3位 4位
2015年[25] 東京大学 15名 一橋大学 4名 慶應義塾大学、京都大学 各3名 早稲田大学 1名
2016年[26] 東京大学 13名 慶應義塾大学 4名 京都大学、早稲田大学 各3名 神戸大学、一橋大学 各1名
2017年[24] 東京大学 19名 慶應義塾大学 5名 京都大学2名 国際基督教大学、早稲田大学 各1名
2018年[27] 東京大学 15名 慶應義塾大学 6名 大阪大学、京都大学、一橋大学、立命館大学、早稲田大学 各1名 -
2019年[28] 東京大学 22名 慶應義塾大学 5名 一橋大学 2名 早稲田大学1名
2020年[29] 東京大学 19名 京都大学 5名 慶應義塾大学 4名 大阪大学、一橋大学、北海道大学、早稲田大学 各1名
外務省専門職員(2008年から2017年までの合格者)[24] 東京外国語大学71名、大阪大学52名、早稲田大学44名、慶應義塾大学31名、上智大学22名等
外務省専門職員
  年度   1位 2位 3位 4位
2015年[25] 大阪大学、早稲田大学 各7名 - 東京外国語大学 6名 上智大学 4名
2016年[26] 大阪大学 8名 東京外国語大学 7名 上智大学 6名 神戸大学、早稲田大学 各4名
2017年[24] 東京外国語大学 10名 慶應義塾大学 6名 早稲田大学 5名 大阪大学、上智大学同志社大学 各3名
2018年[30] 東京外国語大学 17名 慶應義塾大学、早稲田大学 各5名 - 東京大学、青山学院大学創価大学、同志社大学、立命館大学 各2名
2019年[28] 東京外国語大学 8名 大阪大学 7名 早稲田大学 5名 上智大学 4名

幹部

一般職の幹部は以下のとおりである[31]

  • 事務次官:森健良
  • 外務審議官(政務):山田重夫
  • 外務審議官(経済):鈴木浩
  • 官房長:石川浩司
  • 総合外交政策局長:岡野正敬
    • 軍縮不拡散・科学部長:海部篤
  • アジア大洋州局長:船越健裕
    • 南部アジア部長:加納雄大
  • 北米局長:市川恵一
  • 中南米局長:小林麻紀
  • 欧州局長:宇山秀樹
  • 中東アフリカ局長:長岡寛介
  • 経済局長:小野啓一
  • 国際協力局長:植野篤志
    • 地球規模課題審議官:赤堀毅
  • 国際法局長:鯰博行
  • 領事局長:安藤俊英
  • 国際情報統括官:山内弘志
  • 外務省研修所長:小泉勉

外務省出身の著名人

原則、政治家は除く。例外として民間登用大臣など。

関連紛争や諸問題

雑記

名称

1869明治2)年に設置され、改称せずに現存する日本最古の行政機関[注釈 10]である。

最初に「外務省」の名称が用いられたのは、1869年(明治2年)8月15日から始まった太政官制(二官六省制)からである。名称が公議所で議論された際、原案は「外国省」となっていたが、公議員であった依田学海が「雅ならず」として「太宰府」「外務省」「治部省」のいずれかにすべきと提案したという経緯がある[39]

1885年(明治18年)の内閣制度創設以後、一度も名称を変更していない唯一のである[注釈 11]。太政官達(内閣職権)、外務省官制、旧外務省設置法など、設置根拠法に変遷はあるが、省の名称は継続して用いられている。

シンボル

外務省の標章。「外」の文字を変形させた図案が用いられている。

外務省のシンボルは、漢字の「外」の文字を変形させた図案が用いられている[40]。それまでは歴代大臣が使用していた箱の蓋に描かれていた図案であったが、1937年(昭和12年)に職員徽章の図案として正式に制定された。材質は純銀[40]。それ以来、省の標章として使用されており、庁舎の正門に掲げられるとともに、職員の身分証明書などにも描かれている[40]

ファクシミリ

日本の行政機関では2020年代に入ってもファクシミリが現役であるが、外務省は外部とのやりとりが少ないため、裁判資料の送付など一部を除き電子メールへ移行している[41]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ、国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ること」(外務省設置法第3条)
  2. ^ 外務省組織令の一部を改正する政令(平成30年政令第193号)による改正。
  3. ^ 外務省組織令の一部を改正する政令(令和2年政令第232号)、外務省組織規則の一部を改正する省令令(令和2年外務省令第10号)による改正。
  4. ^ 総務課には外交史料の編さんを行う外務省外交史料館(東京都港区)が置かれている。
  5. ^ 国の予算を所管するすべての機関である。なお人事院は予算所管では内閣に属するのでここにはない。
  6. ^ たとえば、満鉄満洲の地で、戦略物資として欠くべからず鉄鉱石から電気電力、車や航空機までの工業製品に加え、大豆や小麦の生産力向上を図っていた。特に大豆は、1920年代半ば(昭和初頭)から世界的に需要が激増し、満鉄により品種改良や新種開発を重ねた「満洲大豆」を抱える満洲国は、大豆の穀倉地帯として世界最大の輸出国になり、飛躍的に経済規模が拡大していた。しかし、のちのABCD包囲網にみるように、米国に頼っていた小麦や大豆生産に必須の化学肥料リンリン酸)などを石油などと共に禁輸対象にされた。第二次世界大戦後、米国が大豆の世界最大の輸出国になった(満洲国の経済満洲産業開発五カ年計画#同計画の具体的内容ダイズ#生産を参照)。
  7. ^ 法眼晋作元外務次官の長男で、弟に法眼健作元国連事務次長がいる。日比谷高校時代の同級生で外務省入省後輩にあたる加藤紘一らが言うには「ソ連担当だった法眼俊作はハニートラップに引っ掛かりスイスで自殺した」とのこと[34]
  8. ^ なお当時の駐在大使は、福岡大学体育学部から青年海外協力隊員を経て外務省に入省した冨永純正だった。
  9. ^ 霞ヶ関」の薬物事件は、2018年11月に起きた外務省の同件、2019年5月8日の経済産業省経済産業省#不祥事など参照)、同年5月28日の文部科学省文部科学省#不祥事や疑惑など参照)と3例続いた[38]
  10. ^ 財務省の前身(改編改称前)の大蔵省も外務省と同時期の1869年に設置された。なお大蔵省は名称自体(大宝律令の大蔵省は明治維新まで存続し維新の時に一度廃止されている)は701年大宝元年)の大宝律令から明治維新を経て2001年平成13年)の中央省庁再編まで約1300年続いた。
  11. ^ もう一つの“改称せずに今まで来た”省だった大蔵省は2001年(平成13年)に「財務省」と改称された。

出典

  1. ^ 我が国の統治機構 内閣官房 2022年3月22日閲覧。
  2. ^ a b 行政機関職員定員令(昭和44年5月16日政令第121号)(最終改正、令和4年3月25日政令第92号) - e-Gov法令検索
  3. ^ a b c 令和4年度一般会計予算 (PDF) 財務省
  4. ^ 外務省の意味 goo辞書 2021年3月27日閲覧。
  5. ^ 外交専門誌「外交」 外務省
  6. ^ 官庁営繕 : 外務省庁舎 国土交通省、2012年8月7日閲覧。
  7. ^ 牧原憲夫, p. 80.
  8. ^ アジア歴史資料センター B03040681700
  9. ^ 江崎道朗『日本の外務省はソ連の対米工作を知っていた』P68~71、育鵬社、2020年
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参考文献

  • 牧原憲夫 『文明国をめざして』 13巻、小学館〈日本の歴史〉、2008年12月。 ISBN 978-4-09-622113-6 

関連項目

その他関連団体
  • 日本外事協会
  • 日本外交協会
  • 外交時報社

外部リンク