富士通フロンテック

富士通フロンテック株式会社
FUJITSU FRONTECH LIMITED
ロゴ
富士通フロンテック本社
種類 株式会社
市場情報
東証2部 6945
1988年2月22日 - 2020年12月24日
本社所在地 日本の旗 日本
206-8555
東京都稲城市矢野口1776
設立 1940年11月9日
業種 電気機器
法人番号 1013401002091
代表者 川上博矛(代表取締役社長)
資本金 84億57百万円
(2020年3月31日現在)
発行済株式総数 2,401万5千株
(2020年3月31日現在)
売上高 単体:731億78百万円
連結:909億41百万円
(2020年3月期)
純利益 単体:△1億48百万円
連結:△7億28百万円
(2020年3月期)
純資産 単体:432億65百万円
連結:462億16百万円
(2020年3月31日現在)
総資産 単体:635億30百万円
連結:674億82百万円
(2020年3月31日現在)
従業員数 単体:1,581名
連結:3,603名
(2020年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 富士通 100%
(2020年12月28日現在)
主要子会社 #関連会社参照
外部リンク https://www.fujitsu.com/jp/group/frontech/
特記事項:古河三水会の会員会社である。

富士通フロンテック株式会社(ふじつうフロンテック)は、富士通グループに属する電子機器の開発・製造メーカーである。本社は東京都稲城市矢野口に所在。

概要

2002年7月に商号を富士通フロンテックに変更したが、それまでの社名は富士通機電株式会社であった。

1928年新潟県西蒲原郡燕町(現:燕市)に洋食器製造業として創業。1940年に株式会社に改組後、1944年、富士通信機製造(現:富士通)が全株を引き受け電話機及び電話交換機の部品製造会社として再スタート。主力の金融機関向け、ATM(現金自動預払機)や営業店端末、流通業界向けのPOS端末やハンディターミナル、公営競技場向けのトータリゼータシステム等で、業界上位のシェアーを持っている。製品は、親会社である富士通を経由して販売される比率が高い。また、日本国外の販売比率も高まっており、グローバルに事業を展開している。

2020年9月30日に親会社の富士通による株式公開買付けが成立[1][2]。富士通フロンテックは同年12月24日に上場廃止となり、同年12月28日付で富士通の完全子会社となった[3]

関連会社

日本国内
  • 株式会社ライフクリエイト
  • 株式会社富士通フロンテックシステムズ
  • トータリゼータエンジニアリング株式会社
日本国外
  • FUJITSU DIE-TECH CORPORATION OF THE PHILIPPINES
  • 富士通先端科技(上海)有限公司
  • Fujitsu Frontech North America Inc.
  • FUJITSU FRONTECH CHUNGHO GLOBAL PRODUCTS Co. Ltd.

ATM

ATM自動機製品のFACT-Vシリーズを主力機種として、富士通株式会社を通じて販売している。ATMをトータルに監視・運用するサービスやシステムも行っている。海外向けには、紙幣ユニットなどのメカコンポーネントを供給している。

手のひら静脈認証

金融機関のATMで先行して導入された手のひら静脈認証装置は、人の生体的特徴を利用して高精度で個人を識別することのできる「バイオメトリクス(生体認証)」の一つであり、高精度で、且つ偽造や「なりすまし」などの不正行為に対し強堅という特徴を持つ。同社では、この認証装置をパソコン用マウスに搭載した手のひら静脈認証PCログインキットを製品化しており、手軽に世界最高水準のセキュリティを利用できる。

POS

POSはpoint of sale(販売時点情報管理)のことで、同社はハードウェアとソフトウェアを量販店や専門店などに納入している。TeamPoSシリーズのような一般的なPOSの他に、セルフレジやタブレットを利用したモバイルPOSも製造している。

ハンディターミナル

業務用の携帯情報端末であるハンディターミナルを、運送業・小売店・製造業などに納入している。スキャナやプリンターを搭載したモデルや、タブレット型も製造している。

RFID

個別に情報を埋め込んだICタグと、その情報を通信により読み書きするリーダライタを製造、販売している。近年ではアパレル店舗への導入が始まっている。

トータリゼータシステム

同社は親会社である富士通の配下でトータリゼータシステムの一部を納品している。製品は導入実績が豊富で、高性能、システムの信頼性が高い事から、多くの公営競技場に採用されている(競馬場ではシェア1位)。

しかし、2011年12月7日に(財)車両情報センターに導入されている同社システムの障害により、当日開催していた全15カ所の競輪場が影響を受けた。このトラブルで14カ所が途中でレースを取りやめ、ナイターだった松山は全レースが中止となった。関係者の試算によると、この日の損失額は約10億円になるという[4][5]

投票券や発券機の特徴として、

  • 文字の白抜きと黒抜きが出来るので、枠番車番が見分けやすい
  • マークカードの両面読取に対応、又一枚の券面に複数の式別の記載が可能(マルチユニット)
  • 多彩な購入方法がある(総流し、フォーメーション等)
  • 少点数(1〜2点)と券面に選手名等を記載できる(旧式は非対応、ソフトウェア上で有無を選択可能)
  • 普通紙(磁気券)と感熱紙の両方の利用が可能
  • 販売を停止することなく釣銭と投票券原紙の補充可能
  • 発券が速い

等があり、特に発券が速いことから、入場者が多い所では重宝されている。

主な採用箇所


競馬場での採用率は非常に高い。三連勝単式等の新賭式導入の際に実績のある日本トーターに奪われ、一時シェアを落とした。しかしその後、包括的民間委託を開始するにあたって、小倉競輪場では同社が提案コンペティションに勝ち、同社製に乗り換えた。また競艇場では従来唐津だけだったが、江戸川も2008年5月から採用した。逆に山陽オートレース場のように包括的民間委託のコンペティションに負け、日本トーターに切り換えるところもある。

なお納入機器の保守管理については、JRAについてはJRAシステムサービス、それ以外の公営競技場については子会社のトータリゼータエンジニアリングが担当している。

大型映像情報表示システム

川崎競馬場 川崎ドリームビジョン
本社屋上に置かれたもの

スーパーフロンテックビジョン (Super Frontech Vision)[6]という製品名で大型映像装置の製造を行っており、公営競技施設などへの納入実績がある。 また、スコアボードや医療機関・空港向けの表示システムも手掛けている。

主なものとしては、川崎競馬場に2003年6月に設置された、当時世界最大の大型映像装置「キングビジョン」、2009年6月にそれを改良拡大し、あらためて世界最大の大型映像装置となった「川崎ドリームビジョン」がある。

本社工場の屋上にも据え付けられ電光ニュースを流しており、最寄駅の京王電鉄相模原線京王よみうりランド駅から見ることができる。

脚注

外部リンク