煮しめ
煮しめ(にしめ)とは、煮物料理のひとつ。日本の代表的な家庭料理の一つでもある。
概要
根菜類や芋類、こんにゃく、昆布、油揚げなどを甘辛く煮たものをこう呼ぶことが多いが、煮しめにされる具材はその地方や季節でさまざまであり、鶏肉をはじめとする肉類、ちくわやかまぼこなどの水産練り製品(いわゆる練り物)、地域によっては魚も用いられ、味付けもさまざまである。日常の食事において供されるほか、お盆や正月、節句や祭りなどの、人が多く参集する際のふるまい・もてなし料理としても供される。こういったことからいわゆる「お袋の味」のひとつとされることも多い。
煮汁が残らないように時間をかけてじっくり煮る調理法を「煮しめる」というが、これが転じてそのように料理されるものを「煮しめ」と称する。「煮染め(にしめ)」「煮締め」「お煮しめ」などとも言う。
なお、染物にも「煮染め」といわれる技法があるが、こちらは「にぞめ」と読むことが多く、染色液が残らないほど煮るわけではない。
煮しめの作り方(小煮しめ)
一例として、福井県の郷土料理である「小煮しめ(こにしめ)」を挙げる。
冬場はやや日持ちするので、大なべで多めに作るのが通例。時間が経つと最後には具が多少溶けて、汁と絡まってどろどろになる。ご飯の上に掛けて食べることもある。
- 厚揚げ、干し椎茸、にんじん、こんにゃく、たけのこ、結んだこぶ、サトイモ、大根などを煮ても壊れない程度でサイコロ状に切る。
- たっぷりのだし汁に具を入れ、味付けに醤油、砂糖、みりん、酒などで味付けをする。
その他、山口県 岩国市では大平という郷土料理が煮しめと非常によく似ており、実際一部地域では煮しめと呼ぶ地域もある。