香港国際競走

香港国際競走(ホンコンこくさいきょうそう・香港國際賽事・HONG KONG International Races)とは毎年12月第2週頃に行われる香港ジョッキークラブ主催の競馬イベントシリーズのメインイベントで、イベント週の日曜日に香港にある沙田競馬場を開催場として施行される4つの国際招待競走の総称である。通称:HKIR。創設はイギリス領だった1994年

8月を1年の基点としている香港競馬年度シーズン前半最大のイベントであるとともに、暦年では世界の国際交流競馬競走において1年の締めくくりを飾る競走群である。

2011年まではキャセイパシフィック航空がメインスポンサーとなり、正式名称も「國泰航空香港國際賽事」として開催されていた。2012年からはメインスポンサーがロンジンに変更され、現地の正式名称も「浪琴表香港國際賽事」となる。前哨戦のレーススポンサーもロンジン(ジョッキークラブカップ)及び中國銀行(ジョッキークラブマイル、ジョッキークラブスプリント)に変更となった。

メイン競走として行われる香港カップ競走はかつて「ワールドレーシング・チャンピオンシップ」(2005年を最後に中止)の最終戦として行われ、レース後には表彰式も同競馬場で執り行われていた。2006年の開催からは香港スプリント競走が短距離路線(1200m以下の競走対象)における世界選手権「グローバル・スプリント・チャレンジ」の最終戦に指定された。

当日行われる重賞

競走名 中国語(繁体字)表記 出走条件 施行コース 総賞金額
香港ヴァーズ 香港瓶 G1 3歳以上 芝2400m 2000万香港ドル
香港スプリント 香港短途錦標 G1 3歳以上 芝1200m 2000万香港ドル
香港マイル 香港一哩錦標 G1 3歳以上 芝1600m 2500万香港ドル
香港カップ 香港盃 G1 3歳以上 芝2000m 2800万香港ドル

2005年までの香港スプリントは直線1000mで行われたが、2006年の開催からは香港スプリントを1000mから1200mに距離を変更した。また、併せて香港ヴァーズ以外のレースの賞金をそれぞれ200万香港ドルずつ上乗せ、2011年は香港マイルの賞金がさらに400万香港ドル上乗せ、2012年は香港ヴァーズと香港スプリントの賞金が100万香港ドル、香港カップが200万香港ドル上乗せされた。

各競走とも最大出走頭数(フルゲート)は14頭だが「出走馬が14頭未満であっても追加選出を行いフルゲートで施行するとは限らない」旨が競走要綱に明記されている(注釈参照)。

日本調教馬の出走

香港は日本から比較的距離が近く輸送の点で都合が良く、さらには招待されれば選出馬の輸送費と選出馬関係者の渡航費は全額負担される[1]。さらに日本では12月に3歳以上の短距離G1競走が行われない[2]ことや、中長距離馬にとっては有馬記念への出走が見込めない場合のローテーションとして組み込みやすいといった背景から、これまでに多くの日本調教馬が出走し、4競走すべてで勝ち馬が出ている。

日本調教馬による主な勝利記録

  • 複数競走勝利
    • モーリス - 香港マイル(2015年)、香港カップ(2016年)

世界的な競馬イベント同日複数重賞競走

注釈

  1. ^ 出馬登録料(4競走とも総賞金の1%)と騎手登録料(2,000香港ドル)は支払う必要がある
  2. ^ ただし、スプリンターズステークス(芝1200m)がGIに認定された1990年から1999年は、原則として12月第3日曜に中山競馬場で行われたことがある。
  3. ^ 創設当初はJBCクラシックJBCスプリント(いずれも創設当初からJpnI)、2011年よりJBCレディスクラシック(創設当初は格付けなしの「新設重賞」→2013年からJpnI)が行われており、2020年から北海道2歳優駿を発展解消してJBC2歳優駿(創設当初からJpnIII認定)が追加される。なお基本毎年会場は持ち回りだが、2020年度からJBC2歳優駿は北海道2歳優駿の名残で門別競馬場で当面会場固定されて開催されるため、JBCは門別での一括開催でない限りは2か所分割となる。

出典

関連項目

外部リンク